でも、オーディションに落ちにまくりだよ…。
もしかしたら、わん丸には諦める力が必要なのかもしれないよ?
上記のように、何か目的を達成するために努力している人は多いはずです。
ですが、なかなか結果を出せない…と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
これは、努力が足りないから起きてしまうことなのでしょうか?
もちろん、努力不足が影響して、結果を出せずにいる人もいるのかもしれません。
しかし、他にも原因があるのかもしれません。
そこで今回のテーマは、こちらですね。
【書評】「諦める力」の完全まとめ。学びと考えたこと/為末大
この記事を読めば、あなたは「諦める力」について考えるきっかけになります。
詳細は「諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない」を手に取り、読んでみてください。
目的を持って努力している人には、必ず読んでもらいたい一冊です。
また本書は、「Kindle Unlimitedへの無料登録」でも読むことができます。(2021年2月26日、現在)
著者のプロフィール:為末 大
まず、本書の著者である「為末大」さんについてどんな人物なのかについてご紹介します。
・2001年エドモントン世界選手権および2005年ヘルシンキ世界選手権において、男子400メートルハードルで銅メダルを勝ち取る。
・陸上トラック種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。
・シドニー、アテネ、北京と3度のオリンピックに出場。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2013年5月現在)。
・2003年、大阪ガスを退社し、プロに転向。2012年6月、日本陸上競技選手権大会を最後に25年間の現役生活から引退
プロフィールからわかるように、為末さんは、もともとバリバリのスポーツマンです。だからこそ、スポーツを通して、嬉しいことも辛いことも、色々経験されています。
あなたも「諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない」を読めば、目標を達成するために必要な考え方を学ぶことができるようになります。
1.諦めるという言葉の本当の意味
2.「あなたには向いていない」は素晴らしい言葉
3.自分の中で勝っている状況を定義する
諦める力を読んだ学び
諦めるという言葉の本当の意味
諦めると聞くと、「何かをやめる。」「一生懸命、頑張っていることを中断する。」といったように考える人は多いのではないでしょうか。しかし、本書では、「諦める」の意味について次のように述べています。
多くの人は、手段を諦めることが諦めだと思っている。
だが、目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいいのではないだろうか。
この言葉の意味を、説明します。
本書の著者である為末さんは、著者のプロフィールであるように「400mハードル」の選手でした。しかし、もともとは、100mの選手だったそうです。そして、100mから400mハードルの選手になったことについて次のように述べています。
もちろん、世間の人から見た一〇〇、メートルと四〇〇メートルハードルのインパクトはまったく異なる。それでもメダルはメダル。同じメダルであるにもかかわらず、取りやすさがまったく違った。僕は体格的にもこの競技にマッチするだろうという予測もできた。四〇〇メートルハードルなら、僕にもメダルが取れるかもしれない。そう考えて、僕はこの競技に転向した。
ポイントは、為末さんの目的です。
為末さんは、このスポーツの世界を通して「メダルを取りたい。」という目的がありました。しかし、100mでは、どうもメダルは取ることはできない…と感じたそうです。ですが、400mハードルであれば、メダルを取れる可能性がある。つまり、為末さんの目標である「メダルを取る。」を達成するためには、400m走ハードルの方が優位な立場に立つことができます。
さて、ここで考えたいのは、為末さんが100mから400mハードルに転向したことは「諦めているということなのか?」という問いです。一般的に、私達が考える「諦める」の意味を使うと、為末さんの行動は諦めているに該当するのかもしれません。しかし、為末さんにとっては、諦めるというより、「自分の目的を達成するための決断」として捉えていました。そう考えるようになってから、為末さんは、400mハードルに転向したことに対してポジティブに物事を考えられるようになったそうです。
本当の諦めるとは、目的を失ったときに、使う表現なのかもしれません。
「あなたには向いていない」は素晴らしい言葉
突然ですが、あなたは今、自分が頑張っていることに対して、他者から「あなたには、(それ)向いてないよ?」と言われたらどう思いますか。おそらく、多くの人が「せっかく、努力しているのに何でそんなこと言うの?」と思いますよね。しかし、為末さんはアメリカの大学の例を取り上げ、次のように捉えています。
アメリカのある大学の経済学部では、入学して一年経過した段階で、多いときには半数に上る学生を進級させないという。たった一年で落とすのは酷すぎないかという意見もあるだろう。僕も最初はそう思った。ただ、学生たちの意見はおおむね好意的だそうだ。若いうちに「あなたは経済学に向いていない」と言ってもらえることで、医学部に転換したり法学部に転換したりするなど、自分の進む道を早めに修正できるからだ。
私も含め、日本人の多くは、「頑張っていることを途中でやめる。」「一度決めたことを、途中で放り投げる」ということに抵抗があります。それは、努力すれば、必ず目的が達成できると信じているからです。
たしかに、努力をすることは大切です。しかし、やはり向き不向きはあります。また、その向き不向きは、自分で気がつくのが非常に難しいです。だからこそ、他者からのこういった指摘には大きな価値があるのではないでしょうか。
自分の中で勝っている状況を定義する
たしかに、メダルの数や順位はわかりやすいけど、そういうのがない場合は?
どこまで引いて俯瞰で考えるか。どこまで大きく勝ち負けをとらえるか。このことによって、日常の勝ち負けの基準も変わってくる。そう考えると「どこで勝つか」より「何が勝ちか」をはっきりさせておくことが、自分が本当に勝ちたいフィールドでの勝利につながるのだ。
このように、述べています。
たしかに、小学校、中学校、高校などではテストの点数の良し悪しで、勝ちか負けかが明確にわかります。しかし、それ以降は、何が勝っている状態なのか?を決めるのは難しいです。
特に、社会に出てからは何を達成すれば勝っている状態なのかがイマイチわかりません。だからこそ、自分なりに勝利の定義を決めておく必要があります。
例えば、こんな風に考えてみるのはどうでしょうか。
・会社の中で営業実績が上位30%以内に入っている=勝っている状態である。
・自分が所属している部活で誰よりも部員と仲良く接するとことができる=勝っている状態である。
・アルバイト先で、他のアルバイトよりも多く挨拶をしている=勝っている状態である。
このように、自分が真剣に取り組んでいること、些細なことに対して勝っている状態を定義するのは重要なことです。なぜなら、その目的を達成するために自分がどういう行動をしたらいいのか?が明確に考えられるようになるからです。また、ただ漠然と物事をこなすよりも、このように目的を持って行動するだけで私達の日常は大きく変化するのではないでしょうか。
いっちー教授の考えたこと
最後にまとめた「勝ちの定義」という考え方について、私なりに考えたことがあります。それは、「大きな勝利」と「小さな勝利」という考え方です。大きな勝利とは、他人と同じ勝ちの定義を持っています。
大きな勝利の例
・A君よりも、テストの点数でよい点を取る!
・Bちゃんよりも、モテたい!
・Cさんよりも、会社の営業実績でよい結果を出したい。
一方で、小さな勝利とは、他人が意識していない勝ちの定義を持っています。
小さな勝利の例
・アルバイト先で、誰よりも多く挨拶をする。
・部活動では、他の部員よりも話しかけられやすい人になる。
・会社では会議の場で、積極的に発言する。
こんな感じです。
前者の場合は、自分の成長につながり、後者の場合は、日常生活にメリハリをもたせる役割があります。そして、こういった勝利の定義を明確しておくことで「諦める」に対する味方も変わるのではないでしょうか。
そもそも、諦めるとは、手段に注目する考え方ではなく、目的に注目する考え方でした。裏を返せば、目的がなければ、諦めるという考え方自体、存在しません。そういった意味で、勝利の定義を決めておくことは「目的を決める」ということになります。
またその目的は、他者と同じものでも、違うものでも良いのではないか?と考えています。
諦める力まとめ
最後に、「諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない」の3つの学びを確認しておきましょう。
1.諦めるという意味の本当の意味
2.「あなたには向いていない」は素晴らしい言葉
3.自分の中で勝っている状況を定義する
今回ご紹介した内容は、本書の中のほんの一部にすぎません。なので、ぜひ皆さんも、「諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない」を手にとって読んで見てください!
今回は、以上です。
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