今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】裁判員制度を導入する目的とは?」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに裁判員制度に関する基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.裁判員制度は、一般市民の側からの要求に基づいて導入された。
2.裁判員制度の導入により、刑期が軽い方向へシフトしている。
3.裁判員を経験した人へのアンケート調査の結果では、あまり良い経験でなかったと感じている人が多い。
4.裁判員制度は、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することを趣旨としている。
5.裁判員制度は、近代の自律的法としての普遍性を高めることを目的としている。
答え)4.裁判員制度は、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することを趣旨としている。
1限目:裁判員制度は法曹専門家からの要求で創設された
まず、裁判員制度がどのようにして創設されたのかについて確認しておきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.裁判員制度は、一般市民の側からの要求に基づいて導入された。
この選択肢は、不正解です。
裁判員制度は一般市民の側からではなく、法曹専門家の側からの要求に基づいて導入されました。
ですが、そもそも裁判員制度とは何なのでしょうか。
裁判員制度とは、刑事事件ごとに選ばれた一般市民(有権者)が、裁判官らと一緒に判決へ参加する制度のことを言います。
どんな事件の場合に、裁判員制度が行われるの?
2限目:裁判員制度を導入してからの判決上での変化
次に、裁判員制度が導入されてからの判決上での変化について確認しておきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.裁判員制度の導入により、刑期が軽い方向へシフトしている。
この選択肢は、不正解です。
裁判員制度の導入移行、とりわけ殺人罪などにおいて、重めの判決が出る傾向があると指摘されています。おそらく、このような変化の背景には、民間人の殺人罪に対する強い思いが反映されているのだと考えられます。
そのため、裁判員だけで決めることはありませんので注意しておきましょう。
3限目:裁判員制度に参加した人たちの感想
次に、裁判員として裁判に参加した人達の感想について注目してみましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.裁判員を経験した人へのアンケート調査の結果では、あまり良い経験でなかったと感じている人が多い。
この選択肢は、不正解です。
じつは、裁判員を経験した人へのアンケート調査結果では、過半数が「非常に良い経験をした」と回答しています。つまり、裁判員として裁判に参加することは民間人にとっても司法の場に参加できる貴重な経験であると伺うことができます。
また、その考えるプロセスが司法への理解を深めるきっかけにもなります。
4限目:裁判員制度が創設された目的
次に、裁判員制度が創設された目的について確認しておきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.裁判員制度は、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することを趣旨としている。
この選択肢は、正解です。
裁判員制度では、国民が刑事裁判の審理に参加することを通じて、裁判に国民の「市民」としての健全な常識を取り入れること、また国民の側からすれば、この制度によって裁判が国民にとって身近なものとなり、司法に対する国民の信頼向上につながることが期待されています。
①一般市民に司法への理解を深めてもらいたい。
②一般市民の意見や日常的な感覚などを裁判結果に反映させるたい。
③刑事裁判に対する一般市民からの信頼を高めてもらいたい。
そういった意味で、裁判員制度という仕組みが導入されました。
5限目:裁判員制度と応答的法との関係性
次に、選択肢の「5」に注目してください。
5.裁判員制度は、近代の自律的法としての普遍性を高めることを目的としている。
この選択肢は、不正解です。
裁判員制度は、近代の自律的法としての普遍性を高めることを目的とするのではなく、応答的法として法と社会が密接に関わることを目的としています。
自律的法とは
普遍性を維持しつつも社会の要請に応えるために, より柔軟で可塑的な運用を可能にする新たな法のあり方のことをいう。
応答的法とは
法が政治から分離され、社会のメンバーすべてが等しく従うべき普遍的なルールとして形式化され、体系化されたものを指します。
そもそも応答的の「応答」とは、応える(答える)という意味があります。
そういった意味で、自律的法と応答的法は次のように言い換えることもできます。
自律的法→普遍主義
応答的法→選別主義
裁判員制度は、国民の中から(選)ばれるから応答的法なんだね!
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】裁判員制度を導入する目的とは?」のおさらいをしておきましょう。
1.裁判員制度は、法曹専門家の側からの要求に基づいて導入された。
2.裁判員制度の導入により、刑期が重い方向へシフトしている。
3.裁判員を経験した人へのアンケート調査の結果では、過半数が「非常に良い経験をした」と回答している。
4.裁判員制度は、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することを趣旨としている。
5.裁判員制度は、応答的法として法と社会が密接に関わることを目的としている。
今回のテーマを参考に、裁判員制度について理解を深めていきましょう。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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