今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】貧困の連鎖とは?何が問題なのか?」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに貧困に関する問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1.ジニ係数は、その数値が大きくなるほど、所得分布は不平等であることを表す。
2.タウンゼントは、栄養学の観点から科学的、客観的に貧困を定義する絶対的貧困の概念を主張した。
3.貧困の再発見とは、貧困線付近の低所得世帯より公的扶助世帯の方で可処分所得が上回ってしまい、いつまでも公的扶助から抜け出せないことをいう。
4.生活保護世帯の子供が成長し、再び生活保護世帯になるという貧困の連鎖については、日本では確認されていない。
5.一人当たり可処分所得を低い順に並べ、中央値の半分に満たない人の割合を相対的貧困率という。
答え)1.ジニ係数は、その数値が大きくなるほど、所得分布は不平等であることを表す。
答え)5.一人当たり可処分所得を低い順に並べ、中央値の半分に満たない人の割合を相対的貧困率という。
しっかり押さえておかないと!
1限目:ジニ係数は所得分布の不平等を表す
まず、ジニ係数が意味するものについて学習していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.ジニ係数は、その数値が大きくなるほど、所得分布は不平等であることを表す。
この選択肢は、正解です。
ジニ係数は、生活条件の格差のうち、所得の分配の平等・不平等を図るものを指します。
その係数の数値を見れば、所得分布の不平等さがわかる仕組みなっているんだね!
2限目:タウンゼントは相対的剥奪を主張した
次に、タウンゼントとラウントリーについて学習していきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.タウンゼントは、栄養学の観点から科学的、客観的に貧困を定義する絶対的貧困の概念を主張した。
この選択肢は、不正解です。
タウンゼントが主張したのは相対的剥奪です。
一方で絶対的貧困とは、ラウントリーの「一次貧困、二次貧困」が代表的な主張で、収入や収支が、一定の水準(貧困線)を下回る世帯や個人は貧困であるとされています。なお、ラウントリーは、栄養学の観点に基づいた最低生活費の算定方式であるマーケット・バスケット方式の考案者でもあります。
したがって、選択肢は「タウンゼント→ラウントリー」に直せば正解です。
3限目:貧困の罠と貧困の再発見の違い
次に、貧困の罠と貧困の再発見について学習していきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.貧困の再発見とは、貧困線付近の低所得世帯より公的扶助世帯の方で可処分所得が上回ってしまい、いつまでも公的扶助から抜け出せないことをいう。
この選択肢は、不正解です。
設問の内容は、貧困の罠に関する内容です。
一方で貧困の再発見とは、経済的に発展した社会において、貧困問題の残存が顕在化し、貧困が社会の中で再び関心を集めるようになることを指します。
4限目:貧困の連鎖が起きてしまっている日本
次に、貧困の連鎖という考え方について学習していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.生活保護世帯の子供が成長し、再び生活保護世帯になるという貧困の連鎖については、日本では確認されていない。
この選択肢は、不正解です。
日本における貧困の連鎖に関して、2014年の子供の貧困対策に関する大綱においても「貧困の世代間連鎖の解消」が掲げられています。したがって、日本においても貧困の連鎖は起きてしまっています。
貧困の連鎖が起きてしまう背景には、親の考え方に問題があります。
貧困の連鎖が問題視される理由がわかったよ。
5限目:相対的貧困率の定義
最後に、相対的貧困率の定義について学習していきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.一人当たり可処分所得を低い順に並べ、中央値の半分に満たない人の割合を相対的貧困率という。
この選択肢は、正解です。
なお、2016年の厚生労働省「国民生活基礎調査」によれば、我が国2015年の貧困線(一人当たり可処分所得の中央値の半分)は122万円となっており、相対的貧困率は15.6%となっています。
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】貧困の連鎖とは?何が問題なのか?」のおさらいをしておきましょう。
1.ジニ係数は、その数値が大きくなるほど、所得分布は不平等であることを表す。
2.ラウントリーは、栄養学の観点から科学的、客観的に貧困を定義する絶対的貧困の概念を主張した。
3.貧困の罠とは、貧困線付近の低所得世帯より公的扶助世帯の方で可処分所得が上回ってしまい、いつまでも公的扶助から抜け出せないことをいう。
4.生活保護世帯の子供が成長し、再び生活保護世帯になるという貧困の連鎖については、日本でも確認されている。
5.一人当たり可処分所得を低い順に並べ、中央値の半分に満たない人の割合を相対的貧困率という。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
コメント