今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】児童虐待防止に関する対応を解説」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに児童虐待に関する問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1.児童虐待の通告義務に違反すると刑罰の対象となる。
2.「児童虐待防止法」に基づく立入調査には、裁判所の令状が必要である。
3.児童福祉法において、親権者の意に反して、2か月を超えて一時保護を行うには、家庭裁判所の承認が必要である。
4.児童福祉法又は「児童虐待防止法」において、本人と同居していない者が保護者に該当することはない。
5.児童虐待には、保護者がわいせつな行為をさせることは含まれる。
答え)3.児童福祉法において、親権者の意に反して、2か月を超えて一時保護を行うには、家庭裁判所の承認が必要である。
答え)5.児童虐待には、保護者がわいせつな行為をさせることは含まれる。
1限目:児童虐待の通告義務を守れなかった場合
まず、児童虐待の通告義務を守れなかった場合について学習していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.児童虐待の通告義務に違反すると刑罰の対象となる。
この選択肢は、不正解です。
児童虐待防止法では、虐待を受けたと思われる児童を発見した場合は、「速やかに通告すること」を義務付けています。しかし、その違反に対する刑罰規定はありません。
そうでないと、子ども達の安全が守れないもんね。
2限目:都道府県知事の権限による調査がある
次に、児童委員や児童相談所の職員などが児童の住居に立ち入り調査や質問する際の方法について学習していきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.「児童虐待防止法」に基づく立入調査には、裁判所の令状が必要である。
この選択肢は、不正解です。
児童虐待が行われているおそれがあると認められる場合は、都道府県知事は児童委員や児童相談所の職員などに児童の住居に立ち入り調査や質問をさせることができます。
裁判所の令状がなくても、行えるのが大きな特徴だね!
3限目:親権者の意に反した一時保護をする場合
次に、親権者の意に反した一時保護をする場合について学習していきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.児童福祉法において、親権者の意に反して、2か月を超えて一時保護を行うには、家庭裁判所の承認が必要である。
この選択肢は、正解です。
親権者の意に反し、2ヶ月を超えて一時保護を行う場合には、「児童相談所長」又は「都道府県知事」は、家庭裁判所の承認を得なければならないという規定があります。
ここは分けて考えるほうがいいかもね。
わかりやすくまとめると次のようになります。
立ち入り調査と一時保護の違い
○児童の住居に立ち入り調査や質問→都道府県知事の権限
○親権者の意に反し、2ヶ月を超えて一時保護を行う場合→家庭裁判所の承認が必要
4限目:児童虐待をしていると認められる者について
次に、児童虐待をしていると認められる人達について学習していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.児童福祉法又は「児童虐待防止法」において、本人と同居していない者が保護者に該当することはない。
この選択肢は、不正解です。
児童虐待防止法第2条において、保護者とは「親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するもの」と規定されており、保護者としての条件に同居の要因は含まれていません。
なお、児童福祉法第6条でも同様に規定されています。
また、この条件に加えて、「同居しているか否かは関係ない」という特徴もあります。
つまり、別居している保護者からの虐待も児童虐待に該当するということなんだね。
5限目:性的虐待の特徴について
最後に、性的虐待について学習していきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.児童虐待には、保護者がわいせつな行為をさせることは含まれる。
この選択肢は、正解です。
児童虐待防止法第2条第2号において、「保護者がその監護する児童に対し、わいせつな行為をすること又はさせることは児童虐待(性的行為)である」と規定しています。
そういう特徴もあるんだね。
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】児童虐待防止に関する対応を解説」のおさらいをしておきましょう。
1.児童虐待の通告義務に違反すると刑罰の対象ではない。
2.「児童虐待防止法」に基づく立入調査は、都道府県知事の権限で行える。
3.児童福祉法において、親権者の意に反して、2か月を超えて一時保護を行うには、家庭裁判所の承認が必要である。
4.児童福祉法又は「児童虐待防止法」において、本人と同居していない者が保護者に該当する場合がある。
5.児童虐待には、保護者がわいせつな行為をさせることは含まれる。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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