今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】国際生活機能分類(ICF)が作られた理由」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに国際生活機能分類(ICF)に関する基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1.世界保健機関(WHO)が国際疾病分類であるICIDHを策定した。
2.国際生活機能分類(ICF)は、世界保健機関(WHO)により採択され、国際的に用いられている。
3.国際生活機能分類(ICF)は、障害を機能障害、能力障害、社会的不利に分類したものである。
4.国際生活機能分類(ICF)では、対象は、障害のある人に限られている。
5.国際生活機能分類(ICF)では、障害を、社会環境から切り離して捉えていない。
答え)2.国際生活機能分類(ICF)は、世界保健機関(WHO)により採択され、国際的に用いられている。
答え)5.国際生活機能分類(ICF)では、障害を、社会環境から切り離して捉えていない。
1限目:ICIDHとICDは別物である
まず、ICIDH、ICFの違いについて学習していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.世界保健機関(WHO)が国際疾病分類であるICIDHを策定した。
この選択肢は、不正解です。
国際障害分類と国際疾病分類は名前がよく似ていますが、アルファベット表記にすると、次のような違いがあります。
国際障害分類→ICIDH
国際疾病分類→ICD
つまり、選択肢の国際疾病分類を「ICIDH→ICD」に直せば正解です。
また国際障害分類(ICIDH)は、1980年代にWHOが提起しました。その目的は、世界共通の国際モデルを作るということです。そして、その中で最も歴史の古いものは国際疾病分類 (ICD)です。
2限目:ICIDH→ICFに変わった
次に、国際生活機能分類(ICF)について確認していきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.国際生活機能分類(ICF)は、世界保健機関(WHO)により採択され、国際的に用いられている。
この選択肢は、正解です。
国際生活機能分類(ICF)は、国際障害分類(ICIDH)に代わり、人間の生活機能及び障害に関する分類法として、2001年の世界保健機関(WHO)総会にて採択され、現在では多くの国で用いられている指標です。
もともと、国際障害分類(ICIDH)があったんだよね?
では、その質問は次の問題で確認していきましょう。
3限目:国際生活機能分類(ICF)が創設された背景
では、なぜ国際生活機能分類(ICF)が作られたのかについて確認していきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.国際生活機能分類(ICF)は、障害を機能障害、能力障害、社会的不利に分類したものである。
この選択肢は、不正解です。
国際生活機能分類(ICF)では、国際障害分類(ICIDH)で使用されていた用語を中立的な表現に変更しました。具体的には、機能障害を「心身機能と身体構造」へ、能力障害を「活動」へ、社会的不利を「参加」としました。
世界共通の健康指標だからこそ、できれば中立的な表現がいいんだね!
機能障害→「心身機能と身体構造」
能力障害→「活動」
社会的不利→「参加」
4限目:国際生活機能分類(ICF)の対象者
次に、国際生活機能分類(ICF)の対象者について確認していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.国際生活機能分類(ICF)では、対象は、障害のある人に限られている。
この選択肢は、不正解です。
国際生活機能分類(ICF)の対象者は、障害のある人だけでなく、全ての人を対象としています。
またICFは、従来のICIDHが身体機能の障害による生活機能の障害(社会的不利)を分類するという考え方が中心であったのに対し、全体的な健康状態を把握する指標として機能していました。
この両者の違いについても、しっかり押さえておきましょう。
5限目:国際生活機能分類(ICF)の考え方
最後に、選択肢の「5」に注目してください。
5.国際生活機能分類(ICF)では、障害を、社会環境から切り離して捉えていない。
この選択肢は、正解です。
選択肢の通り、国際生活機能分類(ICF)では、障害を社会環境から切り離して捉えてはいません。
その人の生活上における困難なこととは、その人と社会との関係に直結する内容であり、分けて考えるようなものではないと考えられています。
この場合、どんなことが考えられますか?
足を切断してしまったら、もうその仕事はできなくなるんじゃない?
だから、障害と社会環境を分けて考えないんだね?
障害と社会環境を分けて考ないことで、そういう工夫の仕方を模索していんだね!
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】国際生活機能分類(ICF)が作られた理由」のおさらいをしておきましょう。
1.世界保健機関(WHO)が国際疾病分類であるICDを策定した。
2.国際生活機能分類(ICF)は、世界保健機関(WHO)により採択され、国際的に用いられている。
3.国際生活機能分類(ICF)は、心身機能と身体構造、活動、参加に分類したものである。
4.国際生活機能分類(ICF)では、対象は全ての人である。
5.国際生活機能分類(ICF)では、障害を、社会環境から切り離して捉えていない。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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