今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】地域包括支援センターの役割とは?何をする場所?」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに地域包括支援センターに関する基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.地域包括支援センターは、当該市町村の区域全体を担当圏域として、各市町村に1箇所設置することとされている。
2.地域包括支援センターが実施する包括的支援事業とは、総合相談支援業務、権利擁護業務及び介護予防支援をいうものとされている。
3.地域包括支援センターは、第一号介護予防支援事業として、65歳未満の要支援者が介護予防サービス等を利用できるよう援助することとされている。
4.地域包括支援センターで実施される事業は、市町村の一般財源から賄われている。
5.市町村は、地域包括支援センターの適切、公正かつ中立な運営を確保するため、地域包括支援センター運営協議会を設置することとされている。
答え)5.市町村は、地域包括支援センターの適切、公正かつ中立な運営を確保するため、地域包括支援センター運営協議会を設置することとされている。
なので今回は、地域包括支援センターについてわかりやすく解説していきます。
1限目:地域包括支援センターの配置数
まずはじめに、地域包括支援センターの配置数について確認しておきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.地域包括支援センターは、当該市町村の区域全体を担当圏域として、各市町村に1箇所設置することとされている。
この選択肢は、不正解です。
地域包括支援センターは、各市町村に複数設置することができるとされています。また設置にかかる具体的な担当圏域の設定にあたっては、「市町村の人口規模」「地域における保健福祉圏域との整合性」などに配慮し、市町村の判断により設定することができます。
1.介護予防ケアマネジメント
要支援と認定された人や、支援や介護が必要となる可能性が高い人を対象に、身体状況の悪化を防ぎ、自立した生活が継続できるように「介護予防」を目的とした支援を行います。
2.総合相談
高齢者の各種相談に幅広く総合的に対応しています。高齢者の困ったことに対して、必要なサービスや制度を紹介し、解決に導きます。
3.権利擁護
高齢者の方が安心して生活できるように、その方が持つさまざまな権利を守ります。
4.包括的・継続的ケアマネジメント
高齢者にとって暮らしやすい地域にするため、地域全体の医療・保健・介護分野の専門家から地域住民まで幅広いネットワークをつくり、そこで暮らす高齢者の課題解決や調整に臨みます。
2限目:包括的支援事業の中身について
次に、包括的支援事業の中身について確認していきましょう。
選択肢の「2」注目して下さい。
2.地域包括支援センターが実施する包括的支援事業とは、総合相談支援業務、権利擁護業務及び介護予防支援をいうものとされている。
この選択肢は、不正解です。
包括的支援事業は、総合相談支援業務、権利擁護業務、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務のことを指しており、第一号介護予防支援事業と一体的に実施されていることになっています。
ところで、「包括的支援事業」の位置づけはどうなっているのでしょうか。それを理解するためには、「地域支援事業」について理解を深めておかなければなりません。地域支援事業は、2006年に創設された事業のことを指します。つまり、介護保険の創設から6年後にできたということになります。
※地域包括支援センターが創設されたのは2005年のことです。
そして、そんな地域支援事業には基本となる「3つの柱」があります。それが、下記の3つです。
①介護予防・日常生活支援総合事業
②包括的支援事業
③任意事業
つまり、「包括的支援事業=地域支援事業の一部である」と考えることができます。
「そうごうじぎょう、ほうかつてきしえんじぎょう、にんいじぎょう」といった感じです(笑)
3限目:第一次介護予防支援事業の対象者
次に、第一次介護予防支援事業の対象者について確認していきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.地域包括支援センターは、第一号介護予防支援事業として、65歳未満の要支援者が介護予防サービス等を利用できるよう援助することとされている。
この選択肢は、不正解です。
第一号介護予防支援事業の対象者には、以下の2通りがあります。
①居宅要支援被保険者(介護予防支援を受けている者を除く)
②基本チェックリスト該当者
居宅要支援被保険者とは
要介護認定を受けた被保険者のうち、居宅において介護を受ける者です。
基本チェックリスト該当者とは
基本チェックリストを実施した結果、日常生活における何らかのリスク(機能低下の恐れ)があると判定された人を指す。
4限目:地域包括支援センターで実施される事業の財源
次に地域包括支援センターで実施される事業の財源について確認しておきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.地域包括支援センターで実施される事業は、市町村の一般財源から賄われている。
この選択肢は、不正解です。
地域包括支援センターで実施される事業は、市町村の一般財源からではなく「介護保険の財源」により賄われています。また地域包括支援センターの中心的な機能である「包括的支援事業」の負担割合は、以下のようになっています。
国38.5%、
都道府県19.25%、
市町村19.25%、
第1号被保険者保険料23.0%
「第2号被保険者保険料」は含まれていない!
5限目:地域包括支援センター運営協議会の役割
最後に、地域包括支援センター運営協議会について確認しておきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.市町村は、地域包括支援センターの適切、公正かつ中立な運営を確保するため、地域包括支援センター運営協議会を設置することとされている。
この選択肢は、正解です。
選択肢の説明は、厚生労働省通知「地域包括支援センターの設置運営について」でその旨が規定されています。
1.センターの運営に関すること
2.センターの職員の確保に関すること
3.その他、地域包括ケアの推進に関すること
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】地域包括支援センターの役割とは?何をする場所?」のおさらいをしておきましょう。
1.地域包括支援センターは、「市町村の人口規模」「地域における保健福祉圏域との整合性」などに配慮し、複数設置することができます。
2.地域包括支援センターが実施する包括的支援事業は、総合相談支援業務、権利擁護業務、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務のことを指している。
3.地域包括支援センターは、第一号介護予防支援事業として、居宅要支援被保険者(介護予防支援を受けている者を除く)、基本チェックリスト該当者を対象にしている。
4.地域包括支援センターで実施される事業は、市町村の一般財源からではなく「介護保険の財源」により賄われている。
5.市町村は、地域包括支援センターの適切、公正かつ中立な運営を確保するため、地域包括支援センター運営協議会を設置することとされている。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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