今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】医師の役割と義務について解説」です。では、授業を始めていきましょう。

*今回の記事の構成として、初めに日本の医師についての基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.医師は、時間外の診療治療の求めに対しては診療を断る権利がある。
2.医師の名称は独占ではないが、医師の業務は独占である。
3.医師は処方箋の交付は、薬剤師に委任できる。
4.診療録の記載と保存は、医師の義務である。
5.患者の保健指導は、医師の義務とならない。
答え)4.診療録の記載と保存は、医師の義務である。


1限目:診療の求めに応じる医師の役割
まず、医師の役割について学習しておきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.医師は、時間外の診療治療の求めに対しては診療を断る権利がある。
この選択肢は、不正解です。
また、この事柄については、医師法に規定されています。
医師法第19条には、「診療に従事する医師は診察治療の求めがあった場合、正当な事由がなければこれを拒んではならない」と定められています。

そのため、やむを得ない理由がある場合に関しては診療を断ることは可能です。

2限目:医師は名称・業務独占資格である
次に、医師の独占資格について確認しておきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.医師の名称は独占ではないが、医師の業務は独占である。
この選択肢は、不正解です。
医師は、「業務独占」及び「名称独占」の資格です。これらは、医師法に定められています。
業務独占とは
資格を持っている人だけが、独占的にその仕事を行うことができる資格を指します。
名称独占とは
資格を持っている人だけが、その名称を名乗ることができる資格です。
※まぎらわしい名称を用いることも禁止されています。

また名称独占資格には、栄養士、保育士、保健師、作業療法士などが該当します。


3限目:処方箋の交付は医師の役割である
次に、処方箋の交付について学習しておきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.医師は処方箋の交付は、薬剤師に委任できる。
この選択肢は、不正解です。
処方箋の交付は薬剤師でなく、医師が行うことと義務付けられています。
これは、医師法に規定されています。



処方箋には、どういう内容が書かれているの?


4限目:診療録の保存は医師の義務である
次に、診療録の保存に関する学習しておきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.診療録の記載と保存は、医師の義務である。
この選択肢は、正解です。
そもそも、診療録とは何なのでしょうか。診療録とは、いわゆる「カルテ」のことを指します。
そして診療録には、患者の診療経過等の内容が記録されています。
また、診療録の記載及び保管は医師の義務として、医師法で義務づけられているんです。

言い換えると「〇〇さんの診療録を見せて」と言っていることになります。

5限目:保健指導も医師の役割である
最後に、保健指導に関する内容を学習しておきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.患者の保健指導は、医師の義務とならない。
この選択肢は、不正解です。
この事柄についても、医師法で規定されています。
医師法第23条には、「医師は診察をした時は、本人又はその保護者に対し、療養の方法、その他保健の向上に必要な事項の指導しなければならない」と定められています。
つまり、保健指導に関する事柄も医師の重要な役割だということができます。


まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】医師の役割と義務について解説」のおさらいをしておきましょう。
1.医師は、診療に従事する医師は診察治療の求めがあった場合、正当な事由がなければこれを拒んではならない。
2.医師の名称は独占であり、医師の業務も独占である。
3.医師は処方箋の交付は、薬剤師に委任することはできない。
4.診療録の記載と保存は、医師の義務である。
5.患者の保健指導は、医師の義務となる。

処方箋の交付は医師が行うことをしっかり押さえておきましょう。

福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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