【わかりやすく】地方公共団体の行う自治事務と法定受託事務の違い

社会福祉士・合格問題編
皆さん、こんにちは!いっちー教授(@free_fukushi)です。

今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】地方公共団体の行う自治事務と法定受託事務の違い」です。では、授業を始めていきましょう。

いっちー教授
いっちー教授

 

*今回の記事の構成として、初めに地方公共団体が行う事務に関する基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。

 

問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.地方公共団体の事務は、法定受託事務、自治事務の2つに分類される。

2.社会福祉法人の認可事務は、自治事務である。

3.生活保護の決定事務は、自治事務である。

4.児童扶養手当の給付事務は、自治事務である。

5.養護老人ホームの入所措置は、法定受託事務である。

 

答え)1.地方公共団体の事務は、法定受託事務、自治事務の2つに分類される。

 

にゃー吉
にゃー吉
自治事務とか、法定受託事務って、よく社会福祉士国家試験の問題で出てくるよね。
でも、何のことかわからない…。
そうですよね。
なので、一つ一つわかりやすく解説していきます。
いっちー教授
いっちー教授



1限目:地方公共団体が行う事務2種類

まず地方公共団体が行う事務、2種類について確認しておきましょう。

選択肢の「1」に注目してください。

 

1.地方公共団体の事務は、法定受託事務、自治事務の2つに分類される。

 

この選択肢は、正解です

しかし、「地方公共団体」「法定受託事務」「自治事務」と言われてもピンときませんよね。

 

にゃー吉
にゃー吉
そもそも、地方公共団体が何なのかよくわからない。
では、まず地方公共団体とは何か?について確認していきましょう。
いっちー教授
いっちー教授

 

2限目:【解説】地方公共団体とは何か?

まず、地方公共団体とは何か?について確認しておきましょう。

地方公共団体とは日本の都道府県や市区町村を統括する行政機関のことを指します

また地方公共団体は、地方自治体と呼ばれることもあります。

 

社会福祉国家試験では、「地方公共団体=都道府県、市町村、特別区」と考えてもらって大きなズレはありません。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
でも、何で地方公共団体なんて作る必要があったの?
良い質問ですね。
地方公共団体を作った理由は、その地域に即した施策を行いやすくするためです。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
地域に即した施策?
例えば、地域の図書館の運営やゴミ処理の仕事などは国が行うより、都道府県や市区町村などの地方公共団体で行ったほうが効率的ですよね。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
たしかに!
しかも図書館やごみ処理場の規模も地域によって違うよね!
なので、地方公共団体を作ることにしました。また、地方公共団体が運営していくにあたる根拠法が「地方自治法」と呼ばれる法律です。
いっちー教授
いっちー教授

 

3限目:自治事務と法定受託事務の違い

次に、自治事務と法定受託事務の違いについてわかりやすく解説していきます。

地方公共団体が行う事務には、大きく分けて「自治事務」「法定受託事務」の2種類があります。

まず自治事務とは、地方公共団体が処理する事務のうち「法定受託事務以外のもの」を言います。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

 

自治事務の例

①小中学校の設置管理

②介護保険の介護給付

③住民基本台帳事務

④飲食店営業の許可

⑤病院、薬局の開設許可

⑥都市計画の策定

などが自治事務にあたります。

一方で法定受託事務とは、本来は国又は都道府県が果たすべき役割に関わる事務であるが、利便性や効率性を考えて「国から都道府県、市町村」あるいは「都道府県から市町村」に委託された事務のことを指します。

 

にゃー吉
にゃー吉
もともと、地方公共団体を作ったのは、地域に即した施策を作るためだもんね!
そうなんです。
だからこそ、法定受託事務という事務が存在するんです。
いっちー教授
いっちー教授



4限目:社会福祉法人の認可事務は法定受託事務

さて、ここまでで地方公共団体、自治事務、法定受託事務という単語の意味については理解できたでしょうか。

では、選択肢の「3」に注目してください。

 

3.生活保護の決定事務は、自治事務である。

 

この選択肢は、不正解です

地方公共団体が行う社会福祉法人の認可事務については、法定受託事務に該当します。

 

にゃー吉
にゃー吉
なんで、社会福祉法人の認可事務は法定受託事務に該当するの?
社会福祉法人のことが載っている法律といえば何でしょうか?
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
社会福祉法です!
そうですね。社会福祉士国家試験の問題では、「○○法(福祉に関係する法)が根拠法」という事務については、法定受託事務に該当することが多いです。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
じゃあ、その事務の根拠法を考えれば、自治事務なのか?法定受託事務なのか?がわかるね!

 

5限目:生活保護、児童扶養手当の給付事務は法定受託事務

次に、生活保護の決定事務、児童扶養手当の給付事務について確認しておきましょう。

選択肢の「3」「4」に注目してください。

 

3.生活保護の決定事務は、自治事務である。

4.児童扶養手当の給付事務は、自治事務である。

 

選択肢の「3」「4」については、どちらも不正解です

皆さん確認ですが、自治事務なのか?法定受託事務なのか?迷った時はどう考えればよかったんでしたか。そうですね、社会福祉士国家試験では、「根拠法(福祉に関係する法)がある事務」に関しては基本的に法定受託事務でしたよね。

なので今回も、まず根拠法から考えてみましょう。

生活保護の決定事務といえば、何法に規定されていますか?そうですね、生活保護法です。

では、児童扶養手当の給付事務に関しては何法に規定されているでしょうか?そうですね、児童扶養手当法です。

したがって選択肢の「3」「4」に関しては、どちらも法定受託事務に該当することがわかります。

 

にゃー吉
にゃー吉
自治事務か、法定受託事務なのか、迷った時は根拠法を考える癖をつけないとね!
そうですね。社会福祉士国家試験の問題では、ほとんどそれで正解できます。
いっちー教授
いっちー教授

 

6限目:養護老人ホームへの入所事務は自治事務である

ここまでで地方公共団体の行う事務が、自治事務なのか?法定受託事務なのか?を考える癖が身についたでしょうか。では今回も、その原理原則に基づき、選択肢の「5」を解いてみましょう。

選択肢の「5」に注目してください。

 

5.養護老人ホームの入所措置は、法定受託事務である。

 

この選択肢は、不正解です

この選択肢には、「養護老人ホームの入所措置」と書かれています。さて今回の「養護老人ホームの入所措置」と言えば、何法に規定されているでしょうか。

そうですね、老人福祉法です。したがって、「養護老人ホームへの入所措置は、法定受託事務です。」と言いたいところなんですが、この場合だけは例外なんです。

養護老人ホームへの入所措置は「自治事務」に該当します。ここは、間違いないでください。

養護老人ホームの入所措置に関しては、根拠法が老人福祉法と福祉に関する法ではあるものの、法定受託事務ではなく「自治事務」に該当します。

 

にゃー吉
にゃー吉
養護老人ホームへの入所措置に関しては、自治事務だね!
間違えないようにしないと。。。
福祉に関する法が根拠法であるにも関わらず、自治事務であるという一例です。
ぜひ、覚えておいてください。
いっちー教授
いっちー教授

 

まとめ

最後に今回のテーマである「【知っておきたい】裁判所の5つの種類について徹底解説」のおさらいをしておきましょう。

1.地方公共団体の事務は、法定受託事務、自治事務の2つに分類される。

2.社会福祉法人の認可事務は、法定受託事務である。

3.生活保護の決定事務は、法定受託事務である。

4.児童扶養手当の給付事務は、法定受託事務である。

5.養護老人ホームの入所措置は、自治事務である。

 

にゃー吉
にゃー吉
これで、地方公共団体が行う自治事務と法定受託事務の違いは大丈夫!
社会福祉士国家試験の勉強をする時は、今回の内容を参考に学習してみてください。
いっちー教授
いっちー教授

 

福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。

参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!

今回の授業は、以上です!



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