今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】障害者基本法に規定されている内容を解説」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに障害者基本法に関する問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.障害者基本法における「障害者」には、一時的に歩行困難になった者も含まれる。
2.障害者基本法では、社会的障壁の除去について規定されている。
3.障害者基本法では、中央心身障害者対策協議会を置くことが規定されている。
4.障害者基本法では、市町村の行う地域生活支援事業について規定されている。
5.障害者基本法では、心身障害者本人に対する自立への努力について規定されている。
答え)2.障害者基本法では、社会的障壁の除去について規定されている。
1限目:障害者の定義について
まず、障害者の定義について学習していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.障害者基本法における「障害者」には、一時的に歩行困難になった者も含まれる。
この選択肢は、不正解です。
一時的に歩行困難になった者は、「障害者」とは定義されていません。
障害者基本法では、「障害者」とは「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう」(第2条第1号)と定義されています。
じゃあ、「捻挫して怪我をしたから障害者だ!」というのは間違った解釈なんだね。
2限目:社会的障壁の定義について
次に、社会的障壁とは何なのかについて学習していきましょう。
選択肢の「2」に注目して下さい。
2.障害者基本法では、社会的障壁の除去について規定されている。
この選択肢は、正解です。
社会的障壁とは、「障害がある者にとって日常生活または社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行その他一切のものをいう」と定義されています。(第2条第2号)。
また社会的障壁については、2011年の改正によって、新たに追加されることになりました。
3限目:障害者政策委員会を置く
次に、障害者政策委員会について学習しておきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.障害者基本法では、中央心身障害者対策協議会を置くことが規定されている。
この選択肢は、不正解です。
障害者基本法では、中央市心身障害者対策協議会ではなく、障害者政策委員会を置くことが規定されています。中央心身障害者対策協議会は、1993年に心身障害者対策基本法が障害者基本法に改正されたことにより、中央障害者施策推進協議会に改められ、その後、2011年の障害者基本法の改正により、中央障害者施策推進協議会は障害者政策委員会に改められています。
現在の障害者基本法では障害者政策委員会が定められているんだね。
4限目:地域生活支援事業=障害者総合支援法
次に、地域生活支援事業の根拠法について学習していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.障害者基本法では、市町村の行う地域生活支援事業について規定されている。
この選択肢は、不正解です。
市町村の行う地域生活支援事業(市町村地域生活支援事業)は、障害者基本法ではなく「障害者総合支援法」に規定されています。
市町村が行う地域生活支援事業は、障害者総合支援法に規定されています。
一見すると障害者基本法にも規定されてそうな内容だけど、ここは注意が必要だね。
試験に出てきた時に、ここは間違いないでくださいね。
5限目:自立への努力という文言は削除されている
最後に、選択肢の「5」に注目してください。
5.障害者基本法では、心身障害者本人に対する自立への努力について規定されている。
この選択肢は、不正解です。
障害者基本法において心身障害者本人に対する自立への努力については規定されていません。
これまで障害者基本法第6条において、「自立への努力」として「障害者は、その有する能力を活用することにより、進んで社会経済活動に参加するよう努めなければならない」と規定されていたが、2004年の改正において削除されました。
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】障害者基本法に規定されている内容を解説」のおさらいをしておきましょう。
1.障害者基本法における「障害者」には、一時的に歩行困難になった者は含まれない。
2.障害者基本法では、社会的障壁の除去について規定されている。
3.障害者基本法では、障害者政策委員会を置くことが規定されている。
4.障害者総合支援法では、市町村の行う地域生活支援事業について規定されている。
5.障害者基本法では、心身障害者本人に対する自立への努力という文言は2004年の改正で削除されている。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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