今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】ポストモダンの影響を受けたソーシャルワーク」です。では、授業を始めていきましょう。

*今回の記事の構成として、初めにポストモダンの影響を受けたソーシャルワークに関する問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、クライエントの主体性や語りを重視する。
2.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、クライエントの欠点を直す援助を指向する。
3.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、社会構成主義から発展している。
4.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、客観主義、実証主義を追求する。
5.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、サービス提供の効率性を求める。
答え)1.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、クライエントの主体性や語りを重視する。
答え)3.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、社会構成主義から発展している。


1限目:クライエントの主体性、人権を尊重する
まず、ポストモダンの影響を受け、ソーシャルワークは何を尊重すべきかに変わったのかについて学習していきましょう。
選択肢の「1」に注目して下さい。
1.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、クライエントの主体性や語りを重視する。
この選択肢は、正解です。
ポストモダンの影響を受ける以前のソーシャルワークは、どちらかと言うと、専門職が問題を抱えたクライエントに対して解決すべき問題に対する方法について押し付けるという考え方が主流でした。
ですが、ポストモダンの影響を受け、クライエントの主体性、人権などが脅かされている状態において、クライエント自身の持っている力で状況を変えられるように心理的、社会的な支援をするという考え方に変わりました。
※この考え方を「エンパワメント」と呼びます。
またクライエントの語り(ナラティブ)を通して援助を行うソーシャルワークを「ナラティブアプローチ」と呼びます。



2限目:できることに注目するという視点
次に、ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークが何に注目して支援するのかについて学習しておきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、クライエントの欠点を直す援助を指向する。
この選択肢は、不正解です。
ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、欠点を直す援助ではなく、ストレングス視点での援助を指向します。
ストレングス視点とは、援助者がクライエントの上手さ、豊かさ、強さ、たくましさ、資源などのストレングスに焦点を当てることを強調する視点のことを指します。


3限目:社会構成主義に基づくアプローチから発展
次に、ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークが何に基づいたアプローチから発展しているのかについて学習しておきましょう。
選択肢の「3」に注目して下さい。
3.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、社会構成主義から発展している。
この選択肢は、正解です。
ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークは、「社会構成主義」に基づくアプローチから発展しています。
社会構成主義はポストモダンを基礎とした主義で、モダニズムの考えを否定し、これまでの主観・客観の二分的見方をとらず、「現実は人々の間で構成される」としました。




4限目:合理主義を否定し、客観・実証主義を追求しない
次に、ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークが否定した考え方について学習しておきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、客観主義、実証主義を追求する。
この選択肢は、不正解です。
ポストモダンは、合理主義的傾向などの近代主義の原理を批判し、脱近代を目指す思想的潮流であり、ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、客観主義、実証主義を追求していません。






5限目:サービス提供の効率性を批判する
最後に選択肢の「5」に注目してください。
5.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、サービス提供の効率性を求める。
この選択肢は、不正解です。
ポストモダンは、近代主義がもたらした大量生産・大量消費による画一的なシステムを批判する思想であり、「サービス提供の効率性」などの、合理性・機能性偏重には批判的でした。


まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】ポストモダンの影響を受けたソーシャルワーク」のおさらいをしておきましょう。
1.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、クライエントの主体性や語りを重視する。
2.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、欠点を直す援助ではなく、ストレングス視点での援助を指向する。
3.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、社会構成主義から発展している。
4.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、客観主義、実証主義を追求しない。
5.ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークでは、サービス提供の効率性を求めない。

福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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