【わかりやすく】ソーシャルワークの統合化について解説

社会福祉士・合格問題編
皆さん、こんにちは!いっちー教授(@free_fukushi)です。

今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】ソーシャルワークの統合化について解説」です。では、授業を始めていきましょう。

いっちー教授
いっちー教授

 

*今回の記事の構成として、初めにソーシャルワークの統合化に関する問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。

 

問)次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1.ミルフォード会議の報告書(1929年)において、「ソーシャルケースワーク」という概念が初めて示され、アメリカにおけるソーシャルワークの統合化への先駆けとなった。

2.アメリカにおけるソーシャルワークの統合化の背景には、専門分化されたソーシャルワーク実践が多様化する社会問題に対応できていたことがある。

3.アメリカにおけるソーシャルワークの統合化とは、ケースマネジメントとカウンセリングに共通する新しい知識や方法を明らかにする動きのことである。

4.システム理論は、アメリカにおけるソーシャルワークの統合化に大きな影響を与えた。

5.ジェネラリスト・アプローチは、アメリカにおけるソーシャルワークの統合化の一形態である。

 

答え)4.システム理論は、アメリカにおけるソーシャルワークの統合化に大きな影響を与えた。

答え)5.ジェネラリスト・アプローチは、アメリカにおけるソーシャルワークの統合化の一形態である。

 

今回は、ソーシャルワークの統合化というテーマで学習していきましょう。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
わかりました!



1限目:ソーシャルケースワークという概念が初めて登場したもの

まず、ソーシャルケースワークという概念が初めて示されたものについて学習していきましょう。

選択肢の「1」に注目して下さい。

1.ミルフォード会議の報告書(1929年)において、「ソーシャルケースワーク」という概念が初めて示され、アメリカにおけるソーシャルワークの統合化への先駆けとなった。

この選択肢は、正解です

ソーシャルケースワークという概念が初めて示されたのは、リッチモンドが著した「ソーシャル・ケース・ワークとは何か?」(1922年)においてだとされています。

またリッチモンドは、ソーシャルケースワークは、人間と社会環境との調整を通してパーソナリティを発達させる諸過程から成り立っていると定義しました。

 

にゃー吉
にゃー吉
そもそも、ソーシャルケースワークってなに?
ソーシャルケースワークとは、社会生活上の問題を自分一人で解決することが困難なために、専門的なサービスを必要としている個人または家族に対して、個別的な援助を行うことを指します。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
なるほど。
貧困問題や介護、引きこもり問題などがその一例だね!
おっしゃるとおりです!
いっちー教授
いっちー教授

 

2限目:ソーシャルワーク統合化の背景について

次に、ソーシャルワーク統合化の背景について学習していきましょう。

選択肢の「2」に注目してください。

2.アメリカにおけるソーシャルワークの統合化の背景には、専門分化されたソーシャルワーク実践が多様化する社会問題に対応できていたことがある。

この選択肢は、不正解です

アメリカにおけるソーシャルワークの統合化の背景には、専門分化されたソーシャルワーク実践が社会問題に対応していなかったということがあります。そこで、ソーシャルワークの専門的活動として成立する過程では、ソーシャルワーク実践を全体的に捉え、共通基盤を明確にすることが課題であるとされました。

 

にゃー吉
にゃー吉
そもそも、ソーシャルワークの統合化って何?
ソーシャルワークの統合化とは、ソーシャルワークの共通基盤のことを指し、「ケースワーク」「グループワーク」「コミュニティワーク(オーガニゼーション)」の共通基盤を明らかにして、一体化してとらえようとする一連の動向をいいます。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
つまり、「ソーシャルワークの統合化 = ケースワーク + グループワーク + コミュニティワーク」ってこと?
おっしゃる通りです!
いっちー教授
いっちー教授

 

3限目:ソーシャルワーク統合化の三要素

次に、ソーシャルワーク統合化の三要素について学習しておきしょう。

選択肢の「3」に注目してください。

3.アメリカにおけるソーシャルワークの統合化とは、ケースマネジメントとカウンセリングに共通する新しい知識や方法を明らかにする動きのことである。

この選択肢は、不正解です

先述したように、ソーシャルワークの統合化とは、主な3つの援助方法である「ケースワーク」、「グループワーク」、「コミュニティワーク」の共通基盤を明確化し、一体化してとらえようとする一連の動向のことを意味します。したがって、「ケースマネジメントとカウンセリングに共通する新しい知識や方法を明らかにする動きのことである。」という部分が誤りです。

 

にゃー吉
にゃー吉
この選択肢、一見すると正しそうだけど違うんだね。
そうですね。また、くどいようですが、「ソーシャルワークの統合化 = ケースワーク + グループワーク + コミュニティワーク」と覚えてしまいましょう!
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
わかりました!



4限目:システム理論が台頭した理由

次に、システム論が台頭した理由について学習しておきましょう。

選択肢の「4」に注目してください。

4.システム理論は、アメリカにおけるソーシャルワークの統合化に大きな影響を与えた。

この選択肢は、正解です

システム理論とは、ケースワーク、グループワーク、コミュニティワークのそれぞれの対象を、分断されたものとして考えるのではなく、「個人」を内包した一つのシステムとして捉える考え方を意味します。

 

にゃー吉
にゃー吉
うーん。
イマイチ、わからない。システム理論って何?
まず、システム理論でいう「システム」とは、全体のなかの部分同士が目的をもって組織される状態を指します。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
ふむふむ。
システム理論が注目される以前は、社会福祉の分野では、貧困や、精神的・心理的な障害の原因を対象者自身の態度や生活史に求める考え方が主流でした。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
いわゆる、自己責任論ってやつだね。
ですが、「これって自己責任論で片付けて良い内容ですか?」と考えられるようになりました。それにより、その人と社会環境との摩擦、各環境要因の不調和などが原因で利用者の困難が生じているのではないか?と見直され、利用者とその周辺の環境要因をシステムとして捉え援助の対象と考えるようになりました。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
たしかに、自己責任という言葉だけで説明するのが難しい問題もあるよね。
例えば、貧困問題はいい例です。貧困問題の背景には、本人のうつ状態で働くことが出来ない、必要な技能や資格の不足の要因などが考えられます。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
たしかに。
しかしその一方で、不景気で十分な雇用がない、、、学歴や障害に対する就職上の差別がある等の要因なども考えられます。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
たしかに、雇用問題はその時代の経済状況と密接に関わっているよね。
また、長時間働いても低賃金という雇用の問題は、「働く貧困層ワーキングプア」という問題まで引き起こしています。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
なるほど。
たしかに、環境が特定の人を貧困問題に陥らせていると考えてもおかしくないよね。
そうですよね?なので、システム理論では、そういった環境の問題、個人の問題など一つずつを「システム」として捉えようとしているんです。
いっちー教授
いっちー教授

 

5限目:ジェネラリストアプローチについて

最後に、ジェネラリストアプローチについて学習しておきましょう。

選択肢の「5」に注目して下さい。

5.ジェネラリスト・アプローチは、アメリカにおけるソーシャルワークの統合化の一形態である。

この選択肢は、正解です

ジェネラリスト・アプローチとは、ケースワーク、グループワーク、コミュニティワークなど、伝統的な方法の区分が対象者の問題や対応を分断するという観点から、総合アプローチとして体系化されたものを指します。

 

にゃー吉
にゃー吉
つまり、ジェネラリストアプローチは、ソーシャルワークの統合化とほぼ同じ意味を持つんだね。
おっしゃる通りですね!ソーシャルワークの統合化という考え方を、より実践的なものとして捉えるのがジェネラリストアプローチという手法です。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
わかりました!

 

まとめ

最後に今回のテーマである「【わかりやすく】ソーシャルワークの統合化について解説」のおさらいをしておきましょう。

1.ソーシャル・ケース・ワークという概念が初めて示されたのは、リッチモンドが著した「ソーシャル・ケース・ワークとは何か?」(1922年)においてだとされている。

2.アメリカにおけるソーシャルワークの統合化の背景には、専門分化されたソーシャルワーク実践が多様化する社会問題に対応できていなかったということがある。

3.アメリカにおけるソーシャルワークの統合化とは、主な3つの援助方法である「ケースワーク」、「グループワーク」、「コミュニティワーク」の共通基盤を明確化し、一体化してとらえようとする一連の動向のことを意味する。

4.システム理論は、アメリカにおけるソーシャルワークの統合化に大きな影響を与えた。

5.ジェネラリスト・アプローチは、アメリカにおけるソーシャルワークの統合化の一形態である。

 

社会福祉士国家試験では、ソーシャルワークの統合化に関する問題が出題されることがあります。なので早い段階でこれらの報告の内容については押さえておきましょう。
いっちー教授
いっちー教授

 

福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。

参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!

今回の授業は、以上です!



Follow me!

コメント

タイトルとURLをコピーしました