今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】適刺激と不適刺激について例を交えつつ解説」です。では、授業を始めていきましょう。

*今回の記事の構成として、初めに適刺激・不適刺激に関する基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1.目や耳などの感覚器には、光や音以外にも「眼球を押すと光が見える」などの感覚を生じさせる刺激があり、こうした刺激を適刺激という。
2.目という感覚器官によって光を感じ取る場合、この刺激を適刺激という。
3.明るい場所から暗い場所に移動すると、目が慣れるのに時間がかかる。これを明順応という。
4.網膜像から対象物の形を知覚するには、認識対象の形を背景から浮き立たせる「図と地の分離」が必要である。
5.形として知覚される部分を「地」、背景となる部分を「図」という。
答え)2.目という感覚器官によって光を感じ取る場合、この刺激を適刺激という。
答え)4.網膜像から対象物の形を知覚するには、認識対象の形を背景から浮き立たせる「図と地の分離」が必要である。


1限目:不適刺激は本来の役割以外の反応である
まず、不適刺激に関する内容について確認していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.目や耳などの感覚器には、光や音以外にも「眼球を押すと光が見える」などの感覚を生じさせる刺激があり、こうした刺激を適刺激という。
この選択肢は、不正解です。
この設問は、不適刺激に関する記述です。
そもそも、不適刺激とは何なのでしょうか。
私達人間は、外界の変化を感じ取るために五感というものがあります。
五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5つの感覚であり、これらの感覚を感じるために、目・耳・鼻・舌・皮膚という感覚器官(受容器)が存在しています。またポイントなのは、それぞれの感覚器官にはその感覚器官に適した刺激の種類や範囲があるということです。
これを「適刺激」といいます。
例えば、音は耳で聞きますし、匂いは鼻で感じますし、味は舌で感じますよね?
一方で、不適刺激とよばれる刺激もあります。それが今回の選択肢のような内容です。
たしかに、私達は「眼球を押すと光が見える」などの感覚を生じさせることができます。しかし本来、眼球は視覚情報を得るための感覚器官です。そのため、眼球を押すことで光が見えるようになるというのは、目本来の役割ではありません。
こうした刺激のことを「不適刺激」といいます。

一方で、感覚器官が本来の役割を得ている場合は、適刺激と言います。

2限目:目本来の役割を果たしていれば適刺激である
続いて、選択肢の「2」に注目してください。
2.目という感覚器官によって光を感じ取る場合、この刺激を適刺激という。
この選択肢は、正解です。
今回の選択肢のように、感覚器官が感じ取ることができる刺激を「適刺激」と呼びます。
目ならば光や色や大きさであり、耳ならば音であり、鼻ならばにおいであるといった感じです。

逆に、「え?そんな役割、その感覚器官にある?」と思えれば、不敵刺激です。

3限目:明順応、暗順応の違いについて
次に、明順応、暗順応について確認していきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.明るい場所から暗い場所に移動すると、目が慣れるのに時間がかかる。これを明順応という。
この選択肢は、不正解です。
この選択肢の内容は、暗順応の説明です。
明るさに目が慣れることに関しては、次のような違いがあることを押さえておきましょう。
「明るい場所→暗い場所=暗順応」
「暗い場所→明るい場所=明順応」
したがって、今回の選択肢は、暗順応の説明です。



「移動した先の明るさ」に注目すれば、明順応、暗順応の違いに気づけるんだね!

4限目:「ルビンの図と地」の考え方
次に、「ルビンの図と地」という考え方について確認していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.網膜像から対象物の形を知覚するには、認識対象の形を背景から浮き立たせる「図と地の分離」が必要である。
この選択肢は、正解です。
ルビンは、意味あるものとして際立って知覚される部分を「図」、その背景となる部分を「地」と呼びました。またルビンは、対象を背景から分離し、まとまりとして取り出さないと対象物の形を知覚できないということも発見しました。
※このことについては、後でもう少し詳しく解説します。
また同様に、選択肢の「5」に注目してください。
5.形として知覚される部分を「地」、背景となる部分を「図」という。
この選択肢は、不正解です。
ルビンは、形として知覚される部分を「図」といい、背景となる部分を「地」といいました。
つまり、設問の内容は逆であると言えます。
5限目:ルビンの壷を知っておこう
また先ほどお話した「ルビンの図と地」については、「ルビンの壷」というものでしっかり押さえておきましょう。下記の画像に注目してください。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
この画像のことを「ルビンの壺」といいます。
この画像を見ると、真ん中に壺があるように見えますよね?
この場合、「壺→図」「黒い背景→地」となります。
つまり、際立って見えたものが「図」になるということです。
一方で、人によっては、女性の顔が向かい合っているようにも見えますよね?
この場合、「黒い背景→図」「壺→地」になります。

その人がどのように見るのかで、図と地の考え方が異なるってことなんだね!

まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】適刺激と不適刺激について例を交えつつ解説」のおさらいをしておきましょう。
1.目や耳などの感覚器には、光や音以外にも「眼球を押すと光が見える」などの感覚を生じさせる刺激があり、こうした刺激を不適刺激という。
2.目という感覚器官によって光を感じ取る場合、この刺激を適刺激という。
3.明るい場所から暗い場所に移動すると、目が慣れるのに時間がかかる。これを暗順応という。
4.網膜像から対象物の形を知覚するには、認識対象の形を背景から浮き立たせる「図と地の分離」が必要である。
5.形として知覚される部分を「図」、背景となる部分を「地」という。
なので早い段階でこれらの報告の内容については押さえておきましょう。


福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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