今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】労働者災害補償保険法・労災保険料率について解説」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに労働者災害補償保険法に関する基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.労働者災害補償保険の保険者は、都道府県である。
2.労働者災害補償保険に要する費用は、事業主と労働者が折半して負担する。
3.労働者災害補償保険において労災保険料率は、厚生労働大臣が業種ごとに定める。
4.労働者災害補償保険において労働者が通常利用する経路で保育所に子どもを預け、会社に向かう途中で事故にあった場合は、保険給付の対象にはならない。
5.個人タクシーを営業している者は、労働者災害補償保険に加入することはできない。
答え)3.労働者災害補償保険において労災保険料率は、厚生労働大臣が業種ごとに定める。
1限目:労働者災害補償保険の保険者は「国(政府)」である
まず、労働者災害補償保険の保険者について学習しておきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.労働者災害補償保険の保険者は、都道府県である。
この選択肢は、不正解です。
労働者災害補償保険の保険者は「国(政府)」となっています。
※また、労災保険に関する事務は、全国の労働基準監督署が扱っています。
では、そもそも労働者災害補償保険とは何なのでしょうか。
労働者災害補償保険法は、英語で「Workers’ accident compensation insurance」と表記します。また労働者災害補償保険は、略して「労災保険」と呼ばれることが多いです。(以下、労災保険とします。)
そして、この労災保険の特徴として、業務中や通勤中のケガや病気、死亡した場合に給付されるという特徴があります。その他、給付に関しては、原則として「労働者本人」、本人死亡時には「遺族」に支払われることになっています。
2限目:労働者災害補償保険の保険料は全額事業主負担である
次に、労災保険の保険料負担について学習しておきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.労働者災害補償保険に要する費用は、事業主と労働者が折半して負担する。
この選択肢は、不正解です。
労働者災害補償保険の保険料に関しては、全額事業主負担となっています。
3限目:労災保険料率は厚生労働大臣が業種ごとに定める
次に、労災保険料率について学習しておきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.労働者災害補償保険において労災保険料率は、厚生労働大臣が業種ごとに定める。
この選択肢は、正解です。
では、そもそも労災保険料率とは何なのでしょうか。
労災保険料率は、労災保険料を定めるときに使う割合です。
労災保険料とは
事業主が負担する保険料を指します。
また労災保険料率は、事業の業種ごとに過去の災害発生率などを考慮して、厚生労働大臣が定めることになっています。例えば、食料品製造業では6/1000、卸売・小売業・飲食店などは3/1000が、それぞれ労災保険料率として定められています。
4限目:通勤時の災害は合理的な通勤経路である必要がある
次に、合理的な通勤経路という考え方をご説明します。
選択肢の「4」に注目してください。
4.労働者災害補償保険において労働者が通常利用する経路で保育所に子どもを預け、会社に向かう途中で事故にあった場合は、保険給付の対象にはならない。
この選択肢は、不正解です。
通勤経路にある保育所に子供を預けた上で通勤している場合、これは「合理的な通勤経路の範囲である」と考えられます。
まず前提として、通勤災害として認められるためには、労災保険法で定める通勤の定義上の「合理的な経路」でなければなりません。
合理的な経路とは
住居と会社間を往復する場合に、一般に労働者が用いるものと認められる経路及び方法をいいます。
※ただし、マイカー通勤の場合は、電車やバスを利用する以上に複数の経路が考えられます。そういった場合、迂回等をした場合には、その理由や距離等により慎重に判断されますのでご注意ください。
5限目:個人タクシーは労災保険の特別加入の対象になる
次に、個人タクシーは労災保険の対象になるのかについて学習しておきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.個人タクシーを営業している者は、労働者災害補償保険に加入することはできない。
この選択肢は、不正解です。
労災保険では労働者を雇用する強制加入事業所の他に、特別加入の制度があります。
特別加入の制度の対象者には、個人タクシー、大工などの一人親方のような個人事業主が加入できることになっています。
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】労働者災害補償保険法・労災保険料率について解説」のおさらいをしておきましょう。
1.労働者災害補償保険の保険者は、国(政府)である。
2.労働者災害補償保険に要する費用は、事業主が全額負担する。
3.労働者災害補償保険において労災保険料率は、厚生労働大臣が業種ごとに定める。
4.労働者災害補償保険において労働者が通常利用する経路で保育所に子どもを預け、会社に向かう途中で事故にあった場合は、保険給付の対象にはなる。
5.個人タクシーを営業している者は、労働者災害補償保険に加入することができる。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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