今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】日本の昔にあった5つの制度を解説」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに日本の昔にあった制度に関する基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.結は、田植えの時期など一時的に大勢の人出を必要とする際に、地域で助け合う共同労働のことである。
2.頼母子講(タノモシコウ)は、生活に困窮する者の救済を目的とした儒教的徳治主義を特徴とする天皇の慈恵政策のことをいう。
3.七分積立金制度は、共済的・金融的機能を持ち、経済的救済を目的とした組織のことをいう。
4.五保の制は、生活に困窮する者がいた場合には、まずは親族間での相互扶助を重視した制度のことをいう。
5.戸令(コリョウ)は、五戸を一組として、共済の機能を持った農耕と貢納のための組織のことをいう。
答え)1.結は、田植えの時期など一時的に大勢の人出を必要とする際に、地域で助け合う共同労働のことである。
だからこそ、これらの用語の意味をしっかり押さえておきましょう。
1限目:結とは相互に労力を提供し合うこと
まず、結とはどのような意味があるのかについて確認していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.結は、田植えの時期など一時的に大勢の人出を必要とする際に、地域で助け合う共同労働のことである。
この選択肢は、正解です。
選択肢のように、結は田植えの時期など一時的に大勢の人出を必要とする際に、地域で助け合う共同労働のことを指します。田植えを例に、結について考えてみましょう。
田植えは一人で行うのが大変です。そこで「結」という仕組みでは、田植えをする際に、近隣の仲間が手伝いをし、別の日には別の人の田植えを仲間が手伝うことになっています。
こうすることで、一人で行うのは大変な田植えを、みんなで行うことで少しでも苦労を減らそうとする仕組みがあったんです。
2限目:頼母子講は経済的救済を目的としている
次に、頼母子講という用語について理解を深めていきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.頼母子講(タノモシコウ)は、生活に困窮する者の救済を目的とした儒教的徳治主義を特徴とする天皇の慈恵政策のことをいう。
この選択肢は、不正解です。
※頼母子講は、「タノモシコウ」と読みます。
頼母子講(タノモシコウ)は、共済的・金融的機能を持ち、経済的救済を目的とした組織のことをいいます。
それが頼母子講という仕組みです。
3限目:七分積立金制度は凶荒時の救済に備える仕組みである
次に、七分積立金制度について確認していきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.七分積立金制度は、共済的・金融的機能を持ち、経済的救済を目的とした組織のことをいう。
この選択肢は、不正解です。
七分積立金制度は、松平定信により設けられた院外救済制度のことを指します。
松平 定信とは
江戸時代中期の大名、老中。陸奥国白河藩3代藩主。定綱系久松松平家9代当主。江戸幕府8代将軍・徳川吉宗の孫に当たり、1787年から1793年まで寛政の改革を行ったことで知られている。
この制度では、住民から集めた江戸町費の7分を積金として積み立て、凶荒時の救済や孤児あるいは貧民の救済に活用するというものでした。
昔から凶荒時に備えるという習慣があったんですね。
4限目:五保の制は5戸を一つの組として治安維持を目指した
次に、五保の制について確認していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.五保の制は、生活に困窮する者がいた場合には、まずは親族間での相互扶助を重視した制度のことをいう。
この選択肢は、不正解です。
五保の制とは、近隣の5戸を一つの組として、納税や治安維持のために創設された仕組みのことを言います。
それほど日本の文化では、近隣住民との関係が深かったのだと読み取れます。
5限目:戸令は親族間による相互扶助を目的に作られた
最後に、戸令(コリョウ)という仕組みについて確認していきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.戸令(コリョウ)は、五戸を一組として、共済の機能を持った農耕と貢納のための組織のことをいう。
この選択肢は、不正解です。
戸令(こりょう)という仕組みでは、救済の対象を細かく分け、はじめに親族間による相互扶助を行い、それでも難しい場合には近隣社会が救済することが求められていました。
例えば、民法に定める親族間の扶養義務などは戸令の仕組みによく似ています。
時代が変わっても、まずは親族間で助け合おうというのが日本の文化なんだね!
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】日本の昔にあった5つの制度を解説」のおさらいをしておきましょう。
1.結は、田植えの時期など一時的に大勢の人出を必要とする際に、地域で助け合う共同労働のことである。
2.頼母子講(タノモシコウ)は、共済的・金融的機能を持ち、経済的救済を目的とした組織のことをいう。
3.七分積立金制度は、住民から集めた江戸町費の7分を積金として積み立て、凶荒時の救済や孤児あるいは貧民の救済に活用するというものである。
4.五保の制は、近隣の5戸を一つの組として、納税や治安維持のために創設された仕組みのことをいう。
5.戸令(コリョウ)は、救済の対象を細かく分け、はじめに親族間による相互扶助を行い、それでも難しい場合には近隣社会が救済することが求められた。
なので早い段階でこれらの報告の内容については押さえておきましょう。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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