今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】社会福祉事業の苦情解決に対する施策」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに社会福祉事業の苦情解決に関する問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.社会福祉事業の経営者は、利用者からの苦情の解決を行政機関に委ねなくてはならない。
2.苦情収集するためには、意見箱、アンケート調査、苦情受付担当者の配置など、情報収集のチャンネルの多角化が必要である。
3.運営適正化委員会は、福祉サービスに関する苦情について、事業者に改善を命じることができる。
4.市町村は、社会福祉法に基づき、運営適正化委員会を設けなければならない。
5.運営適正化委員会は、福祉サービスに関する苦情について解決の申出があったときは、サービス提供を行った事業者に当事者間での解決を求めなければならない。
答え)2.苦情収集するためには、意見箱、アンケート調査、苦情受付担当者の配置など、情報収集のチャンネルの多角化が必要である。
1限目:利用者からの苦情解決について
まず、社会福祉事業の利用者から苦情があった場合の処理について学習していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.社会福祉事業の経営者は、利用者からの苦情の解決を行政機関に委ねなくてはならない。
この選択肢は、不正解です。
「社会福祉事業の経営者は、組織自らが利用者からの苦情の適切な解決に努めなければならない」とされており、そのためには、手順に則った適切で誠実かつ速やかな対応が必要だと考えられています。
社会福祉事業によっては、苦情解決を担当する専門の部署があるくらいですからね。
2限目:苦情を収集するための方法について
次に、苦情を収集するための方法について学習していきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.苦情収集するためには、意見箱、アンケート調査、苦情受付担当者の配置など、情報収集のチャンネルの多角化が必要である。
この選択肢は、正解です。
苦情を収集するための方法としては、利用者・家族・地域の人々が言いやすい工夫や様々な方法で意見を聞くという姿勢が重要だと考えられています。そのため、選択肢の「意見箱、アンケート調査、苦情受付担当者の配置など、情報収集のチャンネルの多角化が必要である。」という部分は正しいんです。
3限目:運営適正化委員会は間接的な苦情を受ける
次に、運営適正化委員会について学習していきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.運営適正化委員会は、福祉サービスに関する苦情について、事業者に改善を命じることができる。
この選択肢は、不正解です。
運営適正化委員会は、福祉サービス利用者からの間接的な苦情を受け付けるものであり、事業者に対して直接的な改善を命じることはできないとされています。
だから、運営適正化委員会は間接的に苦情解決を行っているんだね!
4限目:運営適正化委員会は都道府県社会福祉協議会に置く
次に、運営適正化委員会が設置される場所について学習していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.市町村は、社会福祉法に基づき、運営適正化委員会を設けなければならない。
この選択肢は、不正解です。
社会福祉法第83条では、福祉サービスに関する利用者等からの苦情を解決するために、都道府県社会福祉協議会に運営適正化委員会を置くものとするとされています。
したがって、選択肢の「市町村→都道府県社会福祉協議会」に直せば正解です。
運営適正化委員会は、都道府県社会福祉協議会に設置されているんだね。
ここは「運営適正化委員会=都道府県社会福祉協議会」と覚えてしまいましょう。
5限目:運営適正化委員会は苦情解決の斡旋を行う
最後に、運営適正化委員会の役割について学習していきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.運営適正化委員会は、福祉サービスに関する苦情について解決の申出があったときは、サービス提供を行った事業者に当事者間での解決を求めなければならない。
この選択肢は、不正解です。
社会福祉法において、「運営適正化委員会」は、福祉サービスに関する苦情について解決の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、当該苦情に係る事情を調査するものとする」(第85条第1項)とあります。また、「運営適正化委員会は、(中略)苦情の解決のあっせんを行うことができる」(同条第2項)と規定されています。
つまり、「福祉サービスに関する苦情について解決の申出があったときは、サービス提供を行った事業者に当事者間での解決を求めなければならない。」という部分が誤りなんです。
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】社会福祉事業の苦情解決に対する施策」のおさらいをしておきましょう。
1.社会福祉事業の経営者は、組織自らが利用者からの苦情の適切な解決に努めなければならない。
2.苦情収集するためには、意見箱、アンケート調査、苦情受付担当者の配置など、情報収集のチャンネルの多角化が必要である。
3.運営適正化委員会は、福祉サービス利用者からの間接的な苦情を受け付けるものであり、事業者に対して直接的な改善を命じることはできない。
4.福祉サービスに関する利用者等からの苦情を解決するために、都道府県社会福祉協議会に運営適正化委員会を置くものとする。
5.運営適正化委員会は、苦情の解決のあっせんを行うことができるとされている。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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