今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】コミュニティとアソシエーションの違い」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに集団に関する基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.第1次集団とは、ある特定の目的のために人為的に作り出された組織である。
2.第2次集団とは、家族や親族などの第1集団とは異なる、会社や学校などの社会集団である。
3.ゲゼルシャフトとは、相互の感情や了解に基づく緊密な結びつきによる共同社会である。
4.ゲマインシャフトとは、本質意思に基づく結合が解体した、近代以降の社会集団である。
5.アソシエーションとは、地理的・文化的な地域性を結合要素とした社会集団である。
答え)2.第2次集団とは、家族や親族などの第1集団とは異なる、会社や学校などの社会集団である。
1限目:クーリーの第1次集団について
まず、クーリーの第1次集団について学習していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.第1次集団とは、ある特定の目的のために人為的に作り出された組織である。
この選択肢は、不正解です。
クーリー並びにその後継者たちは、第1次集団について、「直接的な接触親密な結びつきを特徴とする家族や近隣、遊び仲間などの集団であるとし、『道徳意識』を形成する社会的基盤となるもの」として捉えました。
また、学校、組織、政党のように、「特定の目的を実現するために人為的に組織され、成員の間接的な接触に特徴がある集団」を第2次集団と呼びました。したがって、選択肢の説明は、第2次集団に関する内容です。
「第2次集団=学校、組織、政党」と、覚えればいいんだね!
2限目:クーリーの第2次集団について
次に、クーリーの第2次集団について学習していきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.第2次集団とは、家族や親族などの第1集団とは異なる、会社や学校などの社会集団である。
この選択肢は、正解です。
先ほども述べたように、第1次集団とは、クーリーが提唱した概念で、「家族や親族など、対面性や個別性を基盤とした人々の緊密な結合関係」を意味します。
その後、ヤングが発展させたのが第2次集団という概念で、「企業・労働組合・政党・国家などの近代に形成された非対面的・非人格的で合理的な運営を行う機能集団」を意味します。
したがって、選択肢の説明はクーリーの第2次集団に該当します。
「第一次集団」>「第二次集団」
3限目:テンニースのゲゼルシャフト
次に、テンニースのゲゼルシャフトについて学習していきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.ゲゼルシャフトとは、相互の感情や了解に基づく緊密な結びつきによる共同社会である。
この選択肢は、不正解です。
テンニースのいう「ゲゼルシャフト」とは、利害や打算といった選択意思に基づいて形成される、企業や大都市、国家などの集団のことを指します。
ということは、クーリーのいう第一次集団のようなものもあるんじゃないの?
では、それを次に確認していきましょう。
4限目:テンニースのゲマインシャフト
次に、テンニースのゲマインシャフトについて学習していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.ゲマインシャフトとは、本質意思に基づく結合が解体した、近代以降の社会集団である。
この選択肢は、不正解です。
テンニースによれば、「ゲマインシャフト」とは、本質意思に基づき、外見的な分離が起こっても、本質的な結合関係は維持され続ける人々の関係を意味します。
また設問は、ゲゼルシャフトに関する説明です。
そこで、次のように覚えたらどうでしょうか?
ゲゼルシャフト→ゲゼル(sell:売る)シャフト
→売るということは、何かしら商売に関わっています。したがって、利害や打算といった選択意思に基づいて形成される、企業や大都市、国家の意味合いが近い。
ゲマインシャフト→ゲマイン(mine:私のモノ)シャフト
→本質意思(私自身の意思)に基づき、外見的な分離が起こっても、本質的な結合関係は維持され続ける人々の関係という意味合いに近い。
5限目:コミュニティとアソシエーション
最後に、コミュニティとアソシエーションについて学習していきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.アソシエーションとは、地理的・文化的な地域性を結合要素とした社会集団である。
この選択肢は、不正解です。
設問は、アソシエーションではなく、コミュニティに関する説明です。
アソシエーションとは、マッキーヴァーが提唱した概念で、「ある共同の関心(利害)または書関心を追求するための組織」であり、例として、家族・国家・企業のほか、学校や NPO など様々な機能的組織が挙げられます。
一方で、共通の目的はないが、同じ場所や地域に住んだり「共通の風俗などでつながり合ったりする共同体」がコミュニティということになります。
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】コミュニティとアソシエーションの違い」のおさらいをしておきましょう。
1.第1次集団とは、「直接的な接触親密な結びつきを特徴とする家族や近隣、遊び仲間などの集団であるとし、『道徳意識』を形成する社会的基盤となるもの」を指す。
2.第2次集団とは、家族や親族などの第1集団とは異なる、会社や学校などの社会集団である。
3.ゲマインシャフトとは、本質意思に基づき、外見的な分離が起こっても本質的な結合関係は維持され続ける人々の関係を意味する。
4.ゲゼルシャフトとは、本質意思に基づく結合が解体した、近代以降の社会集団である。
5.コミュニティとは、地理的・文化的な地域性を結合要素とした社会集団である。
なので早い段階でこれらの報告の内容については押さえておきましょう。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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