【わかりやすく】生活保護法に規定されている内容を解説

社会福祉士・合格問題編
皆さん、こんにちは!いっちー教授(@free_fukushi)です。

今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】生活保護法に規定されている内容を解説」です。では、授業を始めていきましょう。

いっちー教授
いっちー教授

 

*今回の記事の構成として、初めに生活保護法に関する問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。

 

問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.すべて国民は、生活保護及び地方公共団体の条例の定める要件を満たす限り、生活保護法による保護を受けることができる。

2.生活保護法は、生活困窮に陥った原因によって、保護するかしないかを定めている。

3.生活保護法では、補足性の原理により、素行不良な者は保護の受給資格を欠くとされている。

4.生活に困窮していても借金がある場合は、保護を受けることができない。

5.他の法律に定める扶助は、生活保護による保護に優先して行われる。

 

答え)5.他の法律に定める扶助は、生活保護による保護に優先して行われる。

 

今回は生活保護法について学習していきましょう。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
わかりました!



1限目:生活保護法に関わる内容は法律で定める

まず、生活保護法に関する根幹となる部分を学習しておきましょう。

選択肢の「1」に注目してください。

1.すべて国民は、生活保護及び地方公共団体の条例の定める要件を満たす限り、生活保護法による保護を受けることができる。

この選択肢は、不正解です

選択肢の内容は条例ではなく、生活保護法によります。生活保護法第2条において「全て国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる」と規定されています。

 

にゃー吉
にゃー吉
なるほど。選択肢の「1」は条例で定めるとなっているけど、生活保護に関する内容は「生活保護法」で定められているんだね。
おっしゃる通りです!ぱっとみ、文言的には合っているので正解に思えてしまう内容ですが、根拠となるのは生活保護法です。ここは注意しておきたいポイントですね!
いっちー教授
いっちー教授

 

2限目:無差別平等の原理について

次に、生活保護法に定められている無差別平等の原理について学習しておきましょう。

選択肢の「2」に注目して下さい。

2.生活保護法は、生活困窮に陥った原因によって、保護するかしないかを定めている。

この選択肢は、不正解です

生活保護法第2条の無差別平等の原理によって、経済的な貧困状態が確認されれば、生活困窮に陥った原因にかかわらず、保護を請求する権利を全ての国民に平等に付与しています

 

生活保護法では、無差別平等の原理があるため保護を請求する権利は全ての国民に平等に付与されています。
いっちー教授
いっちー教授
なるほど!
特定の条件にある国民は生活保護を申請していけないっていうことではないんだね。
いっちー教授
いっちー教授
おっしゃる通りです。
いっちー教授
いっちー教授

 

3限目:生活困窮に陥った原因による差別も否定

次に、選択肢の「3」に注目してください。

3.生活保護法では、補足性の原理により、素行不良な者は保護の受給資格を欠くとされている。

この選択肢は、不正解です

補足性の原理ではなく無差別平等の原理により、生活困窮者の信条、性別、社会的身分等により優先的または差別的な取り扱いを否定するとともに、生活困窮に陥った原因による差別も否定しています。

 

にゃー吉
にゃー吉
無差別平等の原理によって、生活困窮に陥った原因による差別というのも否定されているんだね!
おっしゃる通りです。
いっちー教授
いっちー教授



4限目:生活保護を受給する条件について

次に、生活保護を受給する条件について学習しておきましょう。

選択肢の「4」に注目して下さい。

4.生活に困窮していても借金がある場合は、保護を受けることができない。

この選択肢は、不正解です

生活保護法においては、借金で生活保護受給には関係が無いとする。生活保護を受給する条件は、最低生活を下回っているかどうかがポイントになります。

 

にゃー吉
にゃー吉
最低生活を下回っているってどういうこと?
生活保護を受給する条件として最も重視されるのは、収入が最低生活費に満たないという部分なんです。また、これは最低生活費とは居住地域や家族構成、障害の有無などを考慮して算出される金額を指します。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
どういうこと?
例えば千葉県浦安市で一人暮らしをしている40代の人の最低生活費は、120,790円となっています。したがって、収入がこの金額を下回る人は生活保護を受給することができます。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
なるほどね。
それが最低生活を下回っているということなんだね!
おっしゃる通りです!
いっちー教授
いっちー教授

 

5限目:保護の補足性の原理について

最後に、保護の補足性の原理について学習しておきましょう。

選択肢の「5」に注目して下さい。、

5.他の法律に定める扶助は、生活保護による保護に優先して行われる。

この選択肢は、正解です

生活保護法第4条では、保護の補足性の原理を規定しています。

また第2項では「民法に定める扶養義務者の扶養の及び他の法律に定める補助はすべてこの法律による保護に優先して行われるものとす」と明記されています。

 

にゃー吉
にゃー吉
つまり、生活保護法による保護というのは最後の砦というふうに認識されているんだね!
おっしゃる通りです!その前段階として、民法による親族間での扶養義務などもあります。そういった生活保護法以外の法でも、生活を保護するのが難しい場合に関して、生活保護法が適用されるという仕組みになっているんです。
いっちー教授
いっちー教授

 

まとめ

最後に今回のテーマである「【わかりやすく】生活保護法に規定されている内容を解説」のおさらいをしておきましょう。

1.すべて国民は、生活保護法の定める要件を満たす限り、生活保護法による保護を受けることができる。

2.生活保護法は、生活困窮に陥った原因にかかわらず、保護を請求する権利を全ての国民に平等に付与している。

3.生活保護法では、無差別平等の原理により、生活困窮者の信条、性別、社会的身分等により優先的または差別的な取り扱いを否定するとともに、生活困窮に陥った原因による差別を否定している。

4.生活保護を受給する条件は、最低生活を下回っているかどうかである。

5.他の法律に定める扶助は、生活保護による保護に優先して行われる。

 

社会福祉士国家試験では、生活保護法に関する問題が出題されることがあります。なので早い段階でこれらの報告の内容については押さえておきましょう。
いっちー教授
いっちー教授

 

福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。

参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!

今回の授業は、以上です!



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