今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】特定最低賃金と地域別最低賃金の違い」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに最低賃金に関する問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1.特定最低賃金額は、地域別最低賃金額を上回るものでなければならない。
2.地域別最低賃金額は、労働者の生活費を考慮せずに決定される。
3.地域別最低賃金額は、労使が行う賃金交渉によって決定される。
4.最低賃金の適用を受ける使用者は、労働者にその概要を周知しなければならない。
5.支払い能力のない事業者は、地域別最低賃金の減額適用を受けることができる。
答え)1.特定最低賃金額は、地域別最低賃金額を上回るものでなければならない。
答え)4.最低賃金の適用を受ける使用者は、労働者にその概要を周知しなければならない。
しっかり押さえておかないと!
1限目:特定最低賃金は地域最低賃金を上回る
まず、特定最低賃金について学習していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.特定最低賃金額は、地域別最低賃金額を上回るものでなければならない。
この選択肢は、正解です。
特定最低賃金は、業務の性質上地域別最低賃金よりも高い賃金を支払う必要があると判断された賃金額を指すため、地域別最低賃金額を上回っています。また、特定最低賃金が適用される産業には、鉄鋼業、自動車関連業、機械器具製造業などがあります。
最低賃金一つとっても2種類の最低賃金があるんだね!
2限目:最低賃金法と労働者との関係
次に、最低賃金法と労働者との関係について学習していきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.地域別最低賃金額は、労働者の生活費を考慮せずに決定される。
この選択肢は、不正解です。
最低賃金法で、地域別最低賃金額は、労働者の生計費や賃金、通常の事業の賃金支払能力を考慮して定めなければならないとされています。
また、労働者の生計費を考慮するにあたっては、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護にかかる施策との整合性に配慮するもの」とされています。
3限目:地域別最低賃金額の決め方
次に、最低賃金額の決め方について学習していきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.地域別最低賃金額は、労使が行う賃金交渉によって決定される。
この選択肢は、不正解です。
地域別最低賃金額は、労使が行う賃金交渉によって決定されるものではありません。
地域別最低賃金額は、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が一定の地域ごとに、中央最低賃金審議会又は地域最低賃金審議会の調査審議を求め、その意見を聴いて、地域別最低賃金の決定を行うことになっています。
4限目:最低賃金の適用を受ける使用者
次に、最低賃金の適用を受ける使用者について学習していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.最低賃金の適用を受ける使用者は、労働者にその概要を周知しなければならない。
この選択肢は、正解です。
最低賃金の適用を受ける使用者は、最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示し、又はその他の方法で、労働者に周知させるための措置をとらなければならないとされています。
なお最低賃金に、通勤手当、皆勤手当、時間外勤務手当等は含まれないという部分も押さえておきましょう。
5限目:地域別最低賃金の減額適用
最後に、地域別最低賃金の減額適用について学習していきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.支払い能力のない事業者は、地域別最低賃金の減額適用を受けることができる。
この選択肢は、不正解です。
地域別最低賃金の減額は、使用者が都道府県労働局長の許可を受けた時に適用されます。
またその際は、精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者、試用期間中の者、職業訓練を受ける者等である労働者に対して、適用することができると定められています。
ですが、実際はなかなかそのような状況は認められていないようです。
そういった意味で、地域別最低賃金より下回る場合は注意が必要です。
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】特定最低賃金と地域別最低賃金の違い」のおさらいをしておきましょう。
1.特定最低賃金額は、地域別最低賃金額を上回るものでなければならない。
2.地域別最低賃金額は、労働者の生活費を考慮して決定される。
3.地域別最低賃金額は、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が一定の地域ごとに、中央最低賃金審議会又は地域最低賃金審議会の調査審議を求め、その意見を聴いて、地域別最低賃金の決定を行う。
4.最低賃金の適用を受ける使用者は、労働者にその概要を周知しなければならない。
5.地域別最低賃金の減額は、使用者が都道府県労働局長の許可を受けた時に適用される。
なので早い段階でこれらの報告の内容については押さえておきましょう。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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