【わかりやすく】公的扶助と社会保険の違いを解説

社会福祉士・合格問題編
皆さん、こんにちは!いっちー教授(@free_fukushi)です。

今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】公的扶助と社会保険の違いを解説」です。では、授業を始めていきましょう。

いっちー教授
いっちー教授

 

*今回の記事の構成として、初めに公的扶助と社会保険に関する問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。

 

問)次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1.日本の公的扶助制度は防貧的な機能を持つ。

2.日本の公的扶助制度は個別の必要に応じて給付を行う。

3.日本の社会保険の給付は、実施機関の職権により開始される。

4.日本の社会保険制度では原因のいかんを問わず、困窮の事実に基づいて給付が行われる。

5.日本の公的扶助は、保険料の拠出を給付の前提条件としていない。

 

答え)2.日本の公的扶助制度は個別の必要に応じて給付を行う。

答え)5.日本の公的扶助は、保険料の拠出を給付の前提条件としていない。

 

今回は、日本の公的扶助と社会保険の違いについて学習していきましょう。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
わかりました!



1限目:公的扶助の基本的特質は救貧的機能である

まず、公的扶助の基本的特質について学習していきましょう。

選択肢の「1」に注目してください。

1.日本の公的扶助制度は防貧的な機能を持つ。

この選択肢は、不正解です

日本の公的扶助の基本的特質は、貧困状態となった人・世帯に対して救貧的な機能を持つことだとされています。また貧困状態で陥ることを防ぐという意味で防貧的な機能を持つのは、「社会保険」だと考えられています。

 

にゃー吉
にゃー吉
なるほど。救貧的な機能を持つのが「公的扶助」なのに対して、防貧的な機能を持つのは「社会保険」だと考えられているんだね。
おっしゃる通りです。実際、公的扶助が適用されるような場面では最低生活費を下回っている場合といった、貧困が原因で生活が苦しい人を助けるといった意味もありますからね。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
それに対して、社会保険はそういった貧困状態を予防するという役割があるんだね!
その通りです。
いっちー教授
いっちー教授

 

2限目:公的扶助は個別に応じて給付される

次に、公的扶助がどのようにして給付されるのかという原則について学習しておきましょう。

選択肢の「2」に注目してください。

2.日本の公的扶助制度は個別の必要に応じて給付を行う。

この選択肢は、正解で

生活保護法第9条では、「保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人または世帯の実際の必要な相違を考慮して、有効かつ適切に行うものとす」と、必要即応の原則が規定されています。したがって、公的扶助は個別の必要に応じて給付を行うという原則があります。

 

にゃー吉
にゃー吉
なるほど。生活保護は一律で全ての給付が行われるんじゃなくて、個別の状態に応じて給付される仕組みになっているんだね。
おっしゃる通りです!またその個別の状態を構成する要素には、年齢や性別、健康状態といった要素が含まることも押さえておきましょう。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
わかりました!

 

3限目:社会保険の給付の特徴について

次に、社会保険の給付の特徴について学習しておきましょう。

選択肢の「3」に注目してください。

3.日本の社会保険の給付は、実施機関の職権により開始される。

この選択肢は、不正解です

社会保険の給付は、実施機関の職権によって開始はされません。

一方で、公的扶助(生活保護)では、急迫した状態にあるときは、実施機関は職権を持って保護を開始しなければならないと規定されています(生活保護法第25条)。

 

にゃー吉
にゃー吉
なるほど。
公的扶助は、実施機関の職権によって保護を開始する事があるんだね。
おっしゃる通りです!また生活保護の原則は申請主義といって、申請があって初めて保護されるものなんです。しかし、申請の有無を待っていると命に関わるといった重大なケースの場合、実施機関の職権によって生活保護を開始することができると規定されているんです。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
そういうことか!生活保護は、あくまでも申請主義が原則だけど、例外として、実施機関が職権によって生活保護を開始する場合もあるということなんだね!
おっしゃる通りです。
いっちー教授
いっちー教授



4限目社会保険では該当事由により給付範囲が決められる

次に、社会保険の給付事由について学習しておきましょう。

選択肢の「4」に注目してください。

4.日本の社会保険制度では原因のいかんを問わず、困窮の事実に基づいて給付が行われる。

この選択肢は、不正解です

社会保険では困窮の事実に基づいて給付が行われず、あらかじめ定められた保険事故、及び該当事由に合致する範囲で給付が行われます。

 

また困窮の事実に基づいて給付を行われるのは公的扶助の方です。社会保険では、あらかじめ定められた保険事故及び該当事由に合致する範囲内で給付が行われるという特徴があります。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
なるほどね。
こういった公的扶助と社会保険の違いについては試験でもよく問われるので、しっかり押さえておきましょう。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
わかりました!

 

5限目:日本の公的扶助の財源について

最後に、日本の公的扶助の財源について学習しておきましょう。

選択肢の「5」に注目してください。

5.日本の公的扶助は、保険料の拠出を給付の前提条件としていない。

この選択肢は、正解です

日本の公的扶助は、公費を財源とし、社会保険料の拠出を給付の前提条件としていません。

 

日本の公的扶助は公費(つまり税金)を財源として、法整備が進められています。一方で、社会保険に関しては保険料を事前に拠出することによって給付される仕組みになっているんです。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
なるほど。
また日本の公的では、そういった税金を財源として支援が実施されることもありスティグマが伴ってしまっています。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
スティグマって何?
スティグマとは、生活保護のような公的扶助の受給者に対して、他の社会構成員から負の烙印を押されているかのように精神的負担を負うことを指します。
いっちー教授
いっちー教授
にゃー吉
にゃー吉
公的扶助を利用している(つまり税金を使って生活している)という部分に関してあまりよく思わない人がいるということなんだね。
おっしゃる通りです。
そういった仕組みが公的扶助の大きな欠点ですね。
いっちー教授
いっちー教授

 

まとめ

最後に今回のテーマである「【わかりやすく】公的扶助と社会保険の違いを解説」のおさらいをしておきましょう。

1.日本の公的扶助制度は救貧的な機能を持つ。

2.日本の公的扶助制度は個別の必要に応じて給付を行う。

3.日本の社会保険の給付は、実施機関の職権により開始されない。

4.社会保険では困窮の事実に基づいて給付が行われず、あらかじめ定められた保険事故、及び該当事由に合致する範囲で給付が行われる。

5.日本の公的扶助は、保険料の拠出を給付の前提条件としていない。

 

社会福祉士国家試験では、公的扶助と社会保険に関する問題が出題されることがあります。なので早い段階でこれらの報告の内容については押さえておきましょう。
いっちー教授
いっちー教授

 

福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。

参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!

今回の授業は、以上です!



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