今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】公的扶助と社会保険の違いを解説」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに公的扶助と社会保険に関する問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1.日本の公的扶助制度は防貧的な機能を持つ。
2.日本の公的扶助制度は個別の必要に応じて給付を行う。
3.日本の社会保険の給付は、実施機関の職権により開始される。
4.日本の社会保険制度では原因のいかんを問わず、困窮の事実に基づいて給付が行われる。
5.日本の公的扶助は、保険料の拠出を給付の前提条件としていない。
答え)2.日本の公的扶助制度は個別の必要に応じて給付を行う。
答え)5.日本の公的扶助は、保険料の拠出を給付の前提条件としていない。
1限目:公的扶助の基本的特質は救貧的機能である
まず、公的扶助の基本的特質について学習していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.日本の公的扶助制度は防貧的な機能を持つ。
この選択肢は、不正解です。
日本の公的扶助の基本的特質は、貧困状態となった人・世帯に対して救貧的な機能を持つことだとされています。また貧困状態で陥ることを防ぐという意味で防貧的な機能を持つのは、「社会保険」だと考えられています。
2限目:公的扶助は個別に応じて給付される
次に、公的扶助がどのようにして給付されるのかという原則について学習しておきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.日本の公的扶助制度は個別の必要に応じて給付を行う。
この選択肢は、正解です。
生活保護法第9条では、「保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人または世帯の実際の必要な相違を考慮して、有効かつ適切に行うものとする」と、必要即応の原則が規定されています。したがって、公的扶助は個別の必要に応じて給付を行うという原則があります。
3限目:社会保険の給付の特徴について
次に、社会保険の給付の特徴について学習しておきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.日本の社会保険の給付は、実施機関の職権により開始される。
この選択肢は、不正解です。
社会保険の給付は、実施機関の職権によって開始はされません。
一方で、公的扶助(生活保護)では、急迫した状態にあるときは、実施機関は職権を持って保護を開始しなければならないと規定されています(生活保護法第25条)。
公的扶助は、実施機関の職権によって保護を開始する事があるんだね。
4限目社会保険では該当事由により給付範囲が決められる
次に、社会保険の給付事由について学習しておきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.日本の社会保険制度では原因のいかんを問わず、困窮の事実に基づいて給付が行われる。
この選択肢は、不正解です。
社会保険では困窮の事実に基づいて給付が行われず、あらかじめ定められた保険事故、及び該当事由に合致する範囲で給付が行われます。
5限目:日本の公的扶助の財源について
最後に、日本の公的扶助の財源について学習しておきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.日本の公的扶助は、保険料の拠出を給付の前提条件としていない。
この選択肢は、正解です。
日本の公的扶助は、公費を財源とし、社会保険料の拠出を給付の前提条件としていません。
そういった仕組みが公的扶助の大きな欠点ですね。
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】公的扶助と社会保険の違いを解説」のおさらいをしておきましょう。
1.日本の公的扶助制度は救貧的な機能を持つ。
2.日本の公的扶助制度は個別の必要に応じて給付を行う。
3.日本の社会保険の給付は、実施機関の職権により開始されない。
4.社会保険では困窮の事実に基づいて給付が行われず、あらかじめ定められた保険事故、及び該当事由に合致する範囲で給付が行われる。
5.日本の公的扶助は、保険料の拠出を給付の前提条件としていない。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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