今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】地方公共団体の行う自治事務と法定受託事務の違い」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに養護老人ホームに関する基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.養護老人ホームは、入居者の心身の状況等に応じて、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導や訓練その他の援助を行うこととされている。
2.養護老人ホームの入所要件は、要介護状態もしくは要支援状態であることとされている。
3.養護老人ホームの入所にあたっては、居住地の市町村と利用契約を締結する必要がある。
4.養護老人ホームは、都道府県、市町村、社会福祉法人のほか医療法人、民間営利法人も設置できる。
5.養護老人ホームの入所者の居室一室あたりの定員は、原則3名と定められている。
答え)1.養護老人ホームは、入居者の心身の状況等に応じて、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導や訓練その他の援助を行うこととされている。
そこで今回は、養護老人ホームについてわかりやすく解説していきまます。
1限目:養護老人ホームの目的
まず初めに、「養護老人ホームが何を目的に運営している施設なのか?」についてわかりやすく解説していきます。
選択肢の「1」に注目して下さい。
1.養護老人ホームは、入居者の心身の状況等に応じて、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導や訓練その他の援助を行うこととされている。
この選択肢は、正解です。
養護老人ホームの運営については、「養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」で記載されています。
これによると、「養護老人ホームは入所者の処遇に関する計画に基づき、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことにより入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない」とされています。
もう少し、要約します。
一般的に、私達は「老人ホーム」と聞くと、「介護を行う場所」と考えてしまいます。しかし、養護老人ホームに関しては違います。
養護老人ホームは、介護の必要性とは関係なく、身体的、精神的、環境的、または経済的な理由で困窮し、在宅で生活ができない高齢者が入所できる施設です。またその目的は、生活に困窮した高齢者が自立した日常生活を送り、社会復帰ができるように支援することにあります。
だから、介護を受けるのが目的の施設じゃないんだね。
2限目:養護老人ホームは介護施設ではない
次に、選択肢の「2」に注目してください。
2.養護老人ホームの入所要件は、要介護状態もしくは要支援状態であることとされている。
この選択肢は、不正解です。
養護老人ホームの入所対象者は、「65歳以上の者であって環境上の理由及び経済的理由により居宅において養護を受けることは困難なもの」であり、要介護状態要支援状態であることを要件としません。
※なお、養護老人ホームの入所者が介護保険サービスを利用する場合は、要支援状態もしくは要介護状態と認定される必要があります。
たしかに、養護老人ホームは、介護が必要な高齢者を受け入れる特別養護老人ホームと名称がよく似ています。なので「養護老人ホームは、介護を受ける場所でしょ?」と思ってしまいます。
ですが、養護老人ホームは介護施設ではありません。(重要なことなので何度も言っています。)
ここだけは、本当に注意しておいてください。
生活に困窮している高齢者の中には、介護が必要な人もいるよね?
3限目:養護老人ホームは措置施設である
次に選択肢の「3」に注目して下さい。
3.養護老人ホームの入所にあたっては、居住地の市町村と利用契約を締結する必要がある。
この選択肢は、不正解です。
養護老人ホームは利用施設ではなく、「措置施設」です。そのため、養護老人ホームの利用者は、市町村と利用契約を結ぶ必要はありません。
つまり、それほどひっ迫した状況の人に対して行われるものなんだね。
4限目:養護老人ホームの設置主体
次に養護老人ホームの設置主体について確認していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.養護老人ホームは、都道府県、市町村、社会福祉法人のほか医療法人、民間営利法人も設置できる。
この選択肢は、不正解です。
じつは、養護老人ホームはどんな法人でも設立できるというわけではありません。また今回の選択肢のように、医療法人や民間営利法人は、養護老人ホームを設置することができません。
養護老人ホームを設置できるのは、都道府県、市町村、地方独立行政法人、社会福祉法人、日本赤十字社に限られます。
社会福祉事業について学習したい人は下記を参考にしてください。
5限目:養護老人ホームの居室の定員
最後に、養護老人ホームの居室の定員数について確認しておきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.養護老人ホームの入所者の居室一室あたりの定員は、原則3名と定められている。
この選択肢は、不正解です。
居室の定員は、原則として1人(個室)と決められています。
※入所者への処遇上、必要と認められる場合は2人部屋が認められます。
「大部屋での対応には、ならない。」ということを、注意しておいてください!
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】養護老人ホームとは何を目的とした施設なのか?」のおさらいをしておきましょう。
1.養護老人ホームは、入居者の心身の状況等に応じて、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導や訓練その他の援助を行うこととされている。
2.養護老人ホームの入所要件は、65歳以上の者であって環境上の理由及び経済的理由により居宅において養護を受けることが困難なものであるとされている。
3.養護老人ホームの入所にあたっては、措置施設のため、居住地の市町村と利用契約を締結する必要はない。
4.養護老人ホームは、都道府県、市町村、地方独立行政法人、社会福祉法人、日本赤十字社に限られる。
5.養護老人ホームの入所者の居室一室あたりの定員は、原則1名と定められている。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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