今日も社会福祉士国家試験の合格に向けて一緒に勉強していきましょう!今回のテーマは、「【わかりやすく】日常生活自立支援事業とは何をする事業なのか?」です。では、授業を始めていきましょう。
*今回の記事の構成として、初めに日常生活自立支援事業に関する基本問題を出題します。その後、問題の解答解説を行い、理解が深められる構成になっています。
問)次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.日常生活自立支援事業の開始当初、知的障害者は利用対象でなかった。
2.日常生活自立支援事業の実施主体は、地域包括支援センターである。
3.日常生活自立支援事業では、相談開始から契約締結前の初期相談までの相談支援は、有料である。
4.日常生活自立支援事業は、病院に入院した場合には利用できない。
5.日常生活自立支援事業は、成年後見人は利用できない。
答え)5.日常生活自立支援事業は、成年後見人は利用できない。
1限目:日常生活自立支援事業の利用対象者
まず、日常生活自立支援事業の利用対象者について確認していきましょう。
選択肢の「1」に注目してください。
1.日常生活自立支援事業の開始当初、知的障害者は利用対象でなかった。
この選択肢は、不正解です。
日常生活自立支援事業の利用対象者には、次のどちらの条件も満たす必要があります。
・判断能力が不十分な人(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等であって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報の入手、理解、判断、意思表示を本人のみでは適切に行うことが困難な人)
・日常生活自立支援事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる人
ところでさ、そもそも日常生活自立支援事業は何をするところなの?
日常生活自立支援事業は主に次の4点を行います。
①福祉サービスを安心して利用するための支援
②毎日の生活に欠かせない、お金の出し入れの支援
③日常生活に必要な事務手続きの支援
④大切な通帳や証書などの保管支援
2限目:日常生活自立支援事業の実施主体
次に、日常生活自立支援事業の実施主体について確認していきましょう。
選択肢の「2」に注目してください。
2.日常生活自立支援事業の実施主体は、地域包括支援センターである。
この選択肢は、不正解です。
日常生活自立支援事業の実施主体は、都道府県社会福祉協議会又は指定都市社会福祉協議会です。
※ただし、事業の一部を市区町村社会福祉協議会、社会福祉法人などに委託することもできます。
3限目:日常生活自立支援事業の利用料
次に、日常生活自立支援事業の利用料について確認していきましょう。
選択肢の「3」に注目してください。
3.日常生活自立支援事業では、相談開始から契約締結前の初期相談までの相談支援は、有料である。
この選択肢は、不正解です。
日常生活自立支援事業では、契約締結前の相談や支援計画の作成にかかる費用は、無料です。
しかし契約締結後、実施される福祉サービス利用手続き、金銭管理などのサービスを利用する際に、有料になります。
4限目:施設に入所・病院に入院していても利用できる
次に、日常生活自立支援事業の利用場面について確認していきましょう。
選択肢の「4」に注目してください。
4.日常生活自立支援事業は、病院に入院した場合には利用できない。
この選択肢は、不正解です。
日常生活自立支援事業では、社会福祉施設への入所や病院への入院の場合でも、日常生活自立支援事業のサービスを利用することができます。
(この選択肢は、社会福祉士国家試験で本当によく出題されます。)
5限目:成年後見制度と日常生活自立支援事業
次に、成年後見制度が絡んでくる日常生活自立支援事業の問題に触れておきましょう。
選択肢の「5」に注目してください。
5.日常生活自立支援事業は、成年後見人は利用できない。
この選択肢は、正解です。
たしかに、成年後見人は、契約内容の理解が困難なため、日常生活自立支援事業の契約締結及び継続手続きができません。そのため、日常生活自立支援事業を利用することができません。
ただし、成年後見制度と日常生活自立支援事業を併用することは可能です。この場合、法定代理人である成年後見人と実施主体の間で利用契約の締結が行われることになっています。
まとめ
最後に今回のテーマである「【わかりやすく】日常生活自立支援事業とは何をする事業なのか?」のおさらいをしておきましょう。
1.日常生活自立支援事業の開始当初から、知的障害者は利用対象であった。
2.日常生活自立支援事業の実施主体は、都道府県社会福祉協議会又は指定都市社会福祉協議会である。
3.日常生活自立支援事業では、契約締結前の相談や支援計画の作成にかかる費用は、無料である。
4.日常生活自立支援事業は、病院に入院した場合でも利用できる。
5.日常生活自立支援事業は、成年後見人は利用できない。
しかし今回のテーマの内容を参考に、ぜひ学習してみてください。
福祉イノベーションズ大学では、社会福祉士国家試験の合格に向けて試験に出る箇所を中心に、情報発信をしています。
「参考書や問題集を解いただけではわからない…。」という方は、今後も参考にしてください!
今回の授業は、以上です!
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